【日本有数のユニコーン企業】Preferred Networks社長・岡野原大輔「AIの技術を使って日本の産業力向上に貢献したい」

産業領域でのAI活用にずっと取り組んできた

 ─ 日本有数のユニコーン企業として知られるPreferred Networksですが、2014年の創業から12年経っての手応えをどのように感じていますか。

 岡野原 当社はこれまでずっとAIの技術を使って日本の産業競争力を上げていくとか、産業界の課題を解決するということに取り組んできました。

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 それは引き続き進めていきますが、近年はAI自体を取り巻く環境が変わってきて、AI単独ではなく、半導体から基盤モデルと呼ばれるような、これまでのAIとはちょっとレベルの違ったモデル開発が進んでいまして、当社を設立した頃とはかなりレベルの違ったフェーズに入っています。

 当社も世界の中で競争力のある製品やサービスをつくれるようになってきていると思いますので、その意味では、一定の手応えを感じています。

 ─ ちなみに競争力のある製品やサービスというのは、どんなものですか。

 岡野原 例えば、『Matlantis』という材料向けのAIがあるんですが、今はいろいろな企業が材料開発をしていますよね。

 半導体やバッテリー、触媒など、そういった材料開発の分野にAIを使いたいというお話が結構あるんですが、われわれが提供しているマトランティスというAIは、実験をする前にその材料がどういう性質を持つのかを予測することが出来ます。

 バッテリー一つとってみても、いろいろな材料の組み合わせが考えられますが、組み合わせって無限に試すことが出来るわけですよ。でも、それを全部実験して試すというのは無理ですが、そうしたものをAIを使ってシミュレーションして、調べていくと。これはもう多くの企業で実施しています。

 ─ なるほど、実験をする前にシミュレーション出来る。

 岡野原 ええ。これもまだまだ道半ばではありますが、将来的には実験をしないと分からないものが、どんどん計算機で予測出来るようになっている。

 この10年だけでも、計算機自体の性能がものすごく上がってきていて、クラウドで使える計算機も、現場で使えるような計算機の性能がケタ違いに変わってきた。

 今は昔だと出来なかったことがどんどん出来るようになってきていて、そうした時代背景もあって、マトランティスは国内だけでなく、グローバルでも一番使われている製品になっています。

 ─ それだけ技術の進歩が速いということですね。

 岡野原 最近でこそ、(AIでロボットや機械を動かす)フィジカルAIというキーワードが出てきて、製造業の中でAIをいろいろ活用していこうという流れになってきていますが、われわれは創業当時から手掛けてきました。

 具体的には、ファナックさんの産業用機器ロボットですとか、トヨタ自動車さんの自動運転など、実際に産業領域でのAI活用を進めてきました。こうしたことを10年以上前から取り組んできたことが、当社の強みになっていると思います。

 ─ 会社設立当初からNTTやファナック、トヨタが出資するのですから、最初から誰もが認める技術力があったわけですね。

 岡野原 そう言っていただくと有難いですが、AIの世界は変化が激しく、変化のスピードもものすごく早いです。われわれも組織としても、個人としても、環境の変化にどんどん合わせていかないといけない。

 ですから、社内では『Learn or Die(死ぬ気で学ぶ)』ということを会社のモットーにしています。

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