本連載では、ネットワーク構築に必須となるLANスイッチについて、動作や仕組みを解説しながら実際の設定例を示し、ネットワークを身近に感じていただける事を目的としています。第二回では、スマートスイッチの概要と基本的な動作について解説しています。

本連載では、ネットワーク構築に必須となるLANスイッチについて、動作や仕組みを解説しながら実際の設定例を示し、ネットワークを身近に感じていただける事を目的としています。第一回では、LANスイッチの概要と基本的な動作について解説しました。第二回の本項では、LANスイッチにどのような種類があるか説明し、その中で機能も豊富で簡単に扱えるスマートスイッチについて解説します。

1. LANスイッチの種類

LANスイッチはフルマネージスイッチ、スマートスイッチ、アンマネージスイッチという種類に分ける事ができます。それぞれの特徴は以下の通りです。

フルマネージスイッチは高機能なため中~大規模ネットワークに向いています。アンマネージスイッチは家庭や小規模ネットワーク向けで、接続する機器を増やしたいだけといった用途に向いています。フルマネージスイッチは高機能ですが高価で、アンマネージスイッチは機能を最小限に絞ることでリーズナブルな価格で提供されています。

このフルマネージスイッチとアンマネージスイッチの間を埋める丁度いいスイッチというのがスマートスイッチです。以下はネットギア製品でのフルマネージスイッチ、スマートスイッチ、アンマネージスイッチの価格比較です。

※価格は原稿執筆時のもの

グラフは、LANスイッチがサポートするポート数に対し、製品の価格が幾らなのかを示しています。同じポート数でもアンマネージスイッチ→スマートスイッチ→フルマネージスイッチと高価になっているのが分かると思います。また、アンマネージスイッチは5ポートと少ないポート数をサポートし、スマートスイッチやフルマネージスイッチは50ポートといった多数のポートをサポートする製品がある事がわかります。

2. スマートスイッチの利用シーン

スマートスイッチは数人から数十人の小規模ネットワークでの利用が最も適しています。

また、企業や研究所のネットワークにパソコン等を接続するためにも利用できます。基幹となる上位ネットワークで利用するLANスイッチとしては、コアスイッチやエッジスイッチがあります。

コアスイッチ、エッジスイッチ、居室スイッチと接続する事で大きなネットワークを構成できます。この居室スイッチとしてスマートスイッチを利用し、パソコン等を企業や研究所のネットワークに接続します。これらの利用シーンは、アンマネージスイッチでも可能ですが、単純に接続機器を増やす以外にも要件がある場合はスマートスイッチが必要です。

スマートスイッチはこのほか、中規模ネットワークのエッジスイッチとして利用もできます。上位ネットワークでは高度な機能を使う事もあるため、エッジスイッチはフルマネージスイッチで構成する事も多いのですが、スマートスイッチの機能で充分な場合は、これを使うことで安価に構成できます。

3. スマートスイッチの設定方法

スマートスイッチはフレームを転送するだけであれば設定せずに使えますが、購入時のデフォルト状態から変更するためには設定が必要です。設定は、ツイストペアケーブルでパソコンと接続し、ブラウザから簡単に行えます。

ここからはネットギア製品での例になりますが、デフォルトのIPアドレスが192.168.0.239であるため、パソコンのIPアドレスを192.168.0.1等に設定する必要があります。赤字の数字が同じでないと通信できないためです。IPアドレスの変更は、例えばWindows7であれば「スタートメニュー」→「コントロールパネル」→「ネットワークとインターネット」→「ネットワークと共有センター」→「ローカルエリア接続」を選択し、「ローカルエリア接続の状態」で「プロパティ」→「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」を選択する事で設定できます。

IPアドレス設定後、ブラウザのアドレス欄で192.168.0.239と入力するとスマートスイッチと通信し、パスワード入力画面が表示されます。

マニュアルに記載してあるデフォルトのパスワード、通常は"password"と入力するとログインし、設定を開始できます。

なお、スマートスイッチのIPアドレスがわからない場合は、Smart Control Centerを利用して探す事ができます。Smart Control Centerは製品に添付されたCD-ROMからインストールします。CD-ROMからautorun.exeを実行し、表示された画面で「Smart Control Center Installation」をクリックするとインストールが始まります。インストール後、「SmartControlCenterManager」を起動し、「Discover」をクリックするとスマートスイッチを発見できるため、スマートスイッチを選択後、「Web Browser Access」をクリックするとブラウザが起動され、上で示したのと同じパスワード入力画面が表示されます。

4. おわりに

第二回では、LANスイッチの種類やスマートスイッチについて解説し、ネットギア製品を例に設定を開始するまでを説明しました。

次回以降は、スマートスイッチでサポートしている機能や設定方法についてご紹介していきます。

のびきよ

2004 年に「ネットワーク入門サイト」を立ち上げ、初心者にも分かりやすいようネットワーク全般の技術解説を掲載中。著書に『短期集中! CCNA Routing and Switching/CCENT教本』、『ネットワーク運用管理の教科書』(マイナビ出版)がある。

(マイナビニュース広告企画:提供 ネットギアジャパン)

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