Lou Lutostanski
アヴネットIoTバイスプレジデント

人工知能(AI)とモノのインターネット(IoT)がビジネスと社会に産業革命とデジタル革命を合わせた以上の変化をもたらすと未来主義者が主張している通り、私たちは今、世界の発展を目の当たりにしつつあります。しかし、未来が目の前に広がっていながら、AI搭載のIoTを採算に合うように効果的に導入する方法が話題になることは多くありません。唯一とは言わないまでも1つの重要な要因として挙げられるのは、インテリジェンスが実際に存在する場所とIoTアーキテクチャに対するその影響です。

多くの組織では、データが動かされ、ITコンピューティングパワーが活用されているクラウドこそが、AIの存在すべき場所である、と考えられています。しかし、機能的なIoTには、エッジの各種センサーからゲートウェイ、そしてクラウドからの双方向の相互接続性が欠かせず、そこにはレイテンシの問題が生じます。

まさに産業界に変革をもたらし、私たちの世界を方向付けようとしているAIや機械学習アプリケーションには、多くの場合、リアルタイムの応答が求められます。例えば、Amazon EchoのAlexaに今日の天気を尋ねたときに回答に少し時間がかかっても気にならないかもしれませんが、道路の自律走行車や工場の産業機械の応答性となると、話は全く異なります。

多くのAIアプリケーションは、アルゴリズムやデバイスデータの処理に多くのコンピューティング能力を必要とします。リアルタイムの応答性と低レイテンシが重視されるということは、エッジコンピューティングのアーキテクチャが必要になるということです。しかし、いつもそうとは限りません。AIは、クラウドでも、データウェハウスやエッジ、あるいはIoTデバイスでも、さらにはそれらの組み合わせでも実現できます。最も効率的で持続可能なIoTアーキテクチャを構築するには、どこにどのようなコンピューティングパワーを持たせるかを把握しておかなければなりません。

そうすることで、クラウドによる規模の経済とエッジにAIプロセッシング機能を搭載する性能要件とのバランスを取ることができます。ネットワークアーキテクチャ全体にさまざまなレベルのコンピューティングインテリジェンスおよびプロセッシングが存在するという意味で、このような形態を「fluid computing」(流動的なコンピューティング)と呼ぶこともありますが、これはクラウドにおけるITコンピューティングパワーからエッジでのコンピューティングパワーであるオペレーショナルテクノロジー(OT)へのシフトを表す非常に包括的な用語です。

IoTアーキテクチャの保護

当然ながら、セキュリティの問題もあります。エンドポイントデバイスに暗号化やその他のセキュリティ対策を組み込むのは困難なため、IoTには犯罪者にとっての抜け穴が多く存在します。IoTデバイスとクラウドの間に安全なゲートウェイを設置したアーキテクチャであれば、低レイテンシを実現しながらセキュリティリスクを軽減することが可能です。デバイスからクラウドに送られるデータが信頼できることが必要です。アーキテクチャ全体でセキュリティが不十分な場合、組織や組織が導入したIoTおよびAIシステムは脆弱なものとなります。それにより、AIの判断が漏洩データや不良データに基づいてなされる可能性が高まります。

冗長性も考慮すべきです。いずれ起こることですが、何かがダウンした場合でもネットワークを迅速に復旧できるよう、アーキテクチャに十分な冗長性を持たせているかを確認しなければなりません。

つまり、エッジにAIを搭載したIoTは、不確定要素が多く、多様な分野にわたる専門知識を必要とする非常に複雑なエコシステムであり、私たちが新たに形成されつつあるこの世界について知識を深めていく中で、時間と共に進化していくということです。そうでなければ、セキュリティリスクや予期しないダウンタイム、低効率、情報レテンシが、IoTに対する期待を実現する上での障害となるでしょう。自らのビジョンをアイディアから設計、試作から量産、運用からメンテナンスへとつなげていくために、次世代のイノベーターは多様な分野を利用することが必要になります。

最後は、新しいハードウェアおよびソフトウェアの開発です。AIがエッジに向かうにつれ、特にIoTの展開に向けてAI特有のチップを設計するメーカーが増加するとみられます。この分野のスタートアップを支援するベンチャーキャピタリストだけでなく、IntelやMicrosoft、Google、Appleといった大手テクノロジー企業もカスタムチップに参入しようとしています。MicrosoftやAmazonのような大手クラウド事業者も、エッジからクラウドまでの新たなハイブリッドコンピューティングサービスを発表するでしょう。また、市場にはエッジAIソリューションの試作期間短縮を目的とした開発キットが登場しており、全体的なニーズの変化とともに、そうしたソリューションにもコンピューティングパワーの進化が求められることになります。

以上の不確定要素をまとめると、ソリューションに大きな柔軟性が生まれます。それには、急速に変化する世界で生き延びるのに必要なアドバイザリー、サプライチェーン、エコシステムを専門とする人材を擁するテクノロジーパートナーが必要となります。アヴネットでは、エッジにAIを搭載したIoTが長期的なビジネスの成長に欠かせない破壊的な変革を推し進める鍵となる、と考えています。

Lou Lutostanski

Lou Lutostanskiは、アヴネットのモノのインターネット(IoT)担当バイスプレジデントです。Lutostanski氏は、アヴネットの能力とエンドツーエンドのエコシステムを通じ、起業家やスタートアップ、大手テクノロジーOEM、その他のIoTイノベーターに影響を与え、専門知識を提供するための機会を見出し、創出すべく、会社を挙げた取り組みを行っています。

当記事はアヴネットによる記事コンテンツを転載したものです

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