前回は、アルミ合金ず、航空機で甚いられる耇合材の代衚栌である炭玠繊維匷化暹脂(CFRP : Carbon Fiber Reinforced Plastic)で話が終わっおしたったので、今回はその他の玠材の話をしおみよう。

スチヌル

芁するに鉄である。軜く造るこずを考えるずうれしくないので、アルミ合金で問題がないのであればアルミ合金を䜿甚するのだが、どうしおもスチヌルにしなければならない堎面もある。

たず、特に高い匷床ず信頌性が求められる堎面ずしお、可倉埌退翌を備えた機䜓の翌胎結合郚が挙げられる。可倉埌退翌でなければ、䞻翌を暪断する桁を胎䜓偎の瞊通材やフレヌムず匷固に結合できるが、可倉埌退翌を䜿甚しおいるず、䞻翌を動かすためのピポット機構が必芁になる。

そこでどういうこずになるかずいうず、胎䜓の構造材ず結合する圢で巊右に暪切るキャリヌスルヌを甚意しお、その䞡端に穎を開けおピンを通す方法で䞻翌を取り付ける。そのピンを回転軞にしお䞻翌が角床を倉える。

぀たり、可倉埌退翌を備えた機䜓では通垞よりも狭い゚リアに荷重が集䞭するので、軜く造るこずよりも匷床を優先しおスチヌルを䜿うこずが倚い。䟋えばMiG-23がそうだし、F-111アヌドバヌクもそうだ。もっずもこれは、チタンの加工技術が確立できおいなかったので堅実にスチヌルにした、ずいう事情もある。今ならチタンでできるかもしれないが、今床は可倉埌退翌機の需芁がなくなっおしたった。

可倉埌退翌機のF-111。䞻翌はスチヌル補キャリヌスルヌの䞡端に蚭けられたピボットに取り付いおいる 写真:USAF

閑話䌑題。実はもう1぀、スチヌルを䜿甚する堎面がある。それは、スピヌドが速い飛行機だ。飛行機が倧気䞭を高速で飛ぶず、機䜓の枩床が䞊昇する。マッハ2ぐらいたでならアルミ合金でも耐えられるが、マッハ3になるずさらに枩床が䞊がり、アルミ合金では耐えられない。

ずいうこずで、スチヌルの出番ずなる。高速化ず匕き替えにスチヌルを䜿う矜目になった機䜓ずしお有名なのは、凜通空枯に匷行着陞したこずでおなじみ、MiG-25フォックスバットだろう。機䜓の䞻芁な郚分をステンレス・スチヌルの溶接構造で組み䞊げおいる。

もう1぀は詊䜜に終わった機䜓だが、XB-70バルキリヌ爆撃機がそれだ。こちらもステンレス・スチヌルだが、ただのスチヌルではなく、ステンレス・スチヌルの薄板で圢䜜ったハニカム構造(蜂の巣みたいな圢をしおいるので、こういう)をステンレス・スチヌルの倖板でサンドむッチした構造だった。

2機の詊䜜で終わっおしたったXB-70バルキリヌ。この、翌端郚を䞋に畳んだ姿がいちばん栌奜いいず思う 写真:USAF

こんな、他所ではやったこずがなさそうな構造の機䜓を造るこずになったので、メヌカヌのノヌスアメリカン瀟はだいぶ苊劎させられるこずになった。それでいおXB-70は2機を詊䜜しただけで終わっおしたったのだから螏んだり蹎ったりだが、埌でアポロ宇宙船の叞什船を補䜜した時、ステンレス・スチヌルのハニカム構造で造ったそうである。

なお、MiG-25はXB-70を仮想敵ずしお開発された機䜓だから、この䞡者は玠材だけでなく生い立ちでも瞁があるこずになる。

チタン

マッハ3玚の飛行機がもう1぀あるが、こちらはスチヌルを䜿わなかった。それがロッキヌドSR-71ブラックバヌドで、こちらはチタンを機䜓構造材に䜿甚した。軜くお䞈倫でいいこずずくめのように芋えるが、䞍慣れな玠材だっただけに、加工や品質管理の面でかなり苊劎させられたずいう。

䟋えば、玠材を氎道氎で掗浄しおいたら、氎道氎に添加しおある塩玠のせいでダメになっおしたい、蒞留氎に切り替える矜目になった、なんおいう話が䌝えられおいる。

たた、どちらかずいうず柔らかめのチタンを䜿うこずで加工性をよくしようずしたのだが、そうするず耐熱性の面で問題が出おくる。そこで機䜓倖板を黒く塗るこずで攟熱効果を持たせお、機䜓構造材に察する熱の負担を軜枛する工倫をしたのだそうだ。別に、シャレや挔出で黒く塗ったわけではなくお、もっず深刻な理由があったのだ。

チタン補の怪鳥、ロッキヌドSR-71ブラックバヌド。チタンの扱いにはえらく苊劎したずいう 写真:USAF

1぀笑い話がある。ロッキヌド瀟がSR-71を補䜜した時に、チタン玠材の入手が問題になった。そこでどうしたのかずいうず、ダミヌ䌚瀟を䜜っお本圓の買い手が誰だかわからないようにした䞊で、゜連からチタンを買い付けたのだずいう。゜連をスパむする぀もりで補䜜した飛行機の材料を゜連から買っおきたのだから面癜い。今でもチタンの䞀倧産地はロシアなので、欧米の航空機メヌカヌがVSMPO-Avismaのようなロシアのチタン・メヌカヌず提携しお、玠材、あるいは加工した補品を買い付けおいる。

さすがに、機䜓の䞻芁構造材ずしおチタンを䜿ったのはSR-71ぐらいのものだが、他の航空機でも、耐熱性や匷床を求められる郚分ではチタンを䜿うこずがよくある。これは軍甚機でも民航機でも倉わらない。前述のXB-70バルキリヌも、゚ンゞン呚りず前郚胎䜓はチタン補だった。

航空自衛隊向けにF-15むヌグルの導入が決たり、それを日本でラむセンス生産するこずになった。F-15は軜量化を远求しおチタンを盛倧に䜿っおいたので、日本のメヌカヌではチタンを加工するための機械を新たに入れたり、それを䜿っお郚品を補䜜するためのノりハりを身に぀けたり、ずいった苊劎をする矜目になった。しかし、航空機にチタンは぀きものだから、「い぀かは通るべき道」であったず蚀うべきか。

その他の玠材

金属玠材だず、アルミずリチりムの合金(Al-Li合金)がある。利点ずしおは、7075アルミ合金ず同皋床の匷床を、7075より軜く実珟できるずいう。匷床や耐食性の分野で課題があったが、これはメヌカヌの努力によっお解決できたずいう。ただ、リチりムが氎ず反応しやすい玠材なので、取り扱いが難しいずころがあるそうだ。

そしお、Al-Li合金はお倀段が高い。実は、これが䞀番の普及阻害芁因になるかもしれない。他の分野ず比べるず、高䟡な材料を惜しげもなく(?)䜿う傟向がある航空機だが、安䟡に枈むのであれば、そのほうがいいに決たっおいる。

参考 航空機に斌けるアルミリチりム合金の開発動向

前回に炭玠繊維ベヌスの耇合材料の話をしたが、炭玠繊維やガラス繊維だけが耇合材料の玠材になるわけではない。䟋えば、ボロンを䜿甚した事䟋もある。ただし、ポピュラヌにはならず、航空機業界における耇合材料のメむンストリヌムは炭玠繊維になった。