ベトナム戦争下で地下トンネルに身を潜めて戦うベトナム人ゲリラ部隊をリアルに描く『トンネル 暗闇の中の太陽』が、2026年12月18日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開することが決定した(配給:彩プロ)。あわせて予告編、ポスタービジュアルと場面写真が公開となっている。
『トンネル 暗闇の中の太陽』は、ベトナム戦争下で地下トンネルに身を潜めて戦うベトナム人ゲリラ部隊をリアルに描く戦争映画。これまで、ベトナムで製作される戦争映画は国の資金によるものが多く、ヒーロー像を前面に押し出した国威発揚の趣が強いため、興行的な成功には結びつきにくかった。しかし本作は、国の補助金に頼らない民間出資によって、プロパガンダ色を抑え、監督の作家性を尊重しつつリアルな戦争映画を追求。その試みが若い世代を中心に支持され、南ベトナム解放50周年というのもあってか、2週連続1位、5週連続ベスト10入りのヒットを記録。ベトナム戦争映画に新たな潮流を生み出した、転換点ともいえる一作となった。
70年代半ば以降、ベトナム戦争に材を取った数々の名作が産まれた。その殆どは米兵が体験した苦難や狂気、そして帰還後の一変した生活を描いたものだ。だが、ベトナム戦争は東西冷戦が産み出した戦争であると同時に、民族の統一を目指すベトナム人とそれに干渉する超大国という図式も忘れてはならない。本作は南ベトナム解放民族戦線の兵士たちを主人公に据えた、ベトナム人ゲリラから見たベトナム戦争をリアルに描いた映画である。 米軍のナパーム弾や火炎放射戦車、枯葉剤により、兵士のみならず南ベトナムの民間人たちは住む場所も生活の糧も失った。彼らが逃げ込んだ場所の一つが本作に登場する地下要塞、クチのトンネルである。全長240kmにも及び、サイゴン郊外から補給路であるカンボジア国境までを結んでいた。軍人も民間人も数多くの男女がこのトンネルで戦い、食事を摂り、恋をして出産する者もいた。徴兵制により参戦した米軍兵士の多くが戦場で人生の岐路と遭遇しただろう。しかし、ゲリラ戦に身を投じた者たちにとって、このトンネルは戦場であり生きるための場所でもあった。戦争の勝敗を分けたのはここにあったのかもしれない。
Covid-19禍から脱したベトナムの映画興行はシネコンの近代化などの後押しで右肩上がりの年間興行成績を収めている。ハリウッド映画への依存から脱却し、2025 年には自国の映画のシェアが60%に達した。その中の一本が同年4月6日に公開された本作で、公開2日目には200億ドン(約1億2,000万円)を売り上げ、最終的には1,000億ドンを軽々と超える大ヒットとなった。監督は『輝かしき灰』で 2022年第35回東京国際映画祭コンペティションに出品したほか、ヴェネツィア、釜山、ナントなど世界の映画祭で受賞歴を持つブイ・タック・チュエン。本来の繊細なキャラクターの描写力とリアルな戦争映画としてのスケール感を見事に融合させることに成功している。
今回公開された予告編には、激しい戦禍の下、地下トンネル内でのゲリラ部隊の様子が垣間見られ、アメリカ映画で描かれたベトナム戦争とは全く違う作品だと知ることができる。また激しい戦場の下「わたしたちは戦う。血の底で明日を信じて」のコピーが暗闇の中に浮かぶ象徴的なポスターも完成。さらに過酷な戦場の地下に生きる登場人物たちを捉えた場面写真も到着。大国・アメリカとの戦いを制したベトナム人たちの知られざる日常の姿に驚く筈だ。
■ストーリー
1967年、サイゴン郊外クチのトンネル。米軍に追われる南ベトナム解放民族戦線の戦略諜報員たちを匿ったことで無線通信を探知され、トンネルは米軍の最重要標的となってしまう。地上を圧倒的な戦力で包囲した米軍は、農民から転じた戦闘経験の乏しいゲリラたちに対して、空爆、戦車と歩兵による地上戦、水攻め、火炎・毒ガス攻撃を行う。そして特殊部隊"トンネル・ラッツ"が遂に潜入、襲撃を開始する。米軍の容赦ない攻撃が迫るなかで芽生える愛、それぞれが抱える秘密や葛藤が銃声の合間に交錯する。はたしてゲリラたちが"太陽"の目にする日はやってくるのだろうか。
■出演者
タイ・ホア
クアン・トゥアン
ホー・トゥ・アイン
ジエム・ハン・ラムーン
カオ・ミン
■スタッフ
監督・脚本:ブイ・タック・チュエン
製作:グエン・チー・ズン、ブイ・タック・チュエン
撮影:グエン・カーリン
音楽:クローヴィス・シュナイダー
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