日本公開を控えるクリストファー・ノーラン監督の最新作『オデュッセイア』(2026年9月11日公開 配給:ビターズ・エンド/ユニバーサル映画)だが、現在のハリウッドの「顔」とも言える俳優が勢揃いとなっていることでも話題となっている。中でも、怒涛の公開ラッシュを迎えているアン・ハサウェイに注目が集まっている。
『オデュッセイア』は、モロッコ、ギリシャ、イタリア、アイスランド、スコットランドなど世界各地で撮影を行ったアクション映画。本作は、ホメロスの原点ともいえる叙事詩を、長編映画史上初めてIMAXフィルムスクリーンで映像化。「オデュッセイア」は、古代ギリシャの詩人ホメロスによって書かれた英雄譚で、西洋文学の金字塔にして世界最初の物語のひとつとして知られている。トロイア戦争の終結後、イタケの王・オデュッセウスは、家族の待つ故郷へ帰還を目指す。しかし、彼の前には、神々の介入、怪物、そして荒れ狂う海など容赦ない試練が立ちはだかる。映画『オデュッセイア』は、10年にも及ぶ主人公の壮大なる旅と冒険を描き出す。
オデュッセウスを演じるのは、『インセプション』(2014)『オッペンハイマー』(2023)にも出演しているマット・デイモン。そのほか、トム・ホランド、アン・ハサウェイ、ロバート・ パティンソン、ゼンデイヤ、シャーリーズ・セロン、ルピタ・ニョンゴ、サマンサ・モートンらがキャスティングされている。 製作は、エマ・トーマスとクリストファー・ノーランの制作会社・シンコピーが手掛ける。エグゼクティブプロデューサーはトーマス・ヘイスリップ。
米国などでは、公開となっている本作、世界興行記録を塗り替え、ノーラン監督のキャリア史上最高評価を記録。アカデミー賞受賞に輝いた2023年の『オッペンハイマー』のオープニング週末興行収入をも凌駕する、驚異的なスタートを切っている。7月17日に世界74地域(全米3,919/全世界16,727劇場、26,000スクリーン)で公開初日を迎えると、7月19日までに全米興収1億2,450万ドル(約200億円)、全世界興収2億6,410万ドル(約428億円)を記録(2026年7月20日 Box Office Mojo調べ、1ドル162円換算)。全米映画ランキングでは初登場1位を獲得し、2026年実写映画No.1のスタートを樹立し、ノーラン監督作品および主演マット・デイモン作品としても過去最高の成績を叩き出した。さらに、2週連続全米映画ランキング1位を獲得。全米興収は2億8,637万円(約464億円)となり、今年のハリウッド映画の興行収入トップ5入りを果たしている(2026年7月27日 Box Office Mojo調べ)。公開から13日で『オッペンハイマー』の全米興収3.3億ドルを上回り、ノーラン作品史上1位の成績を収め、8月2日までに全世界興収が9億1,139万ドル(約1,476億円)を記録、10億ドル到達が目前となっている(2026年8月3日 Box Office Mojo調べ)。
ここ一カ月程、映画の配給・宣伝各社から送られてくる資料がアン・ハサウェイ、ロバート・パティンソン、ゼンデイヤだらけで、誰がどの作品に出てるのか混乱している批評家、編集者も少なくないのではなかろうか。その3人が揃って出演しているのが『オデュッセイア』である。
『オデュッセイア』には他にもシャーリーズ・セロン、ルピタ・ニョンゴ、エリオット・ペイジ、サマンサ・モートンに加え、トム・ホランドが出演しており、各々の役回りから、作中、バットマンがスパイダーマンを虐める格好になっているだろうと予想される。
豪華キャスト陣の共演でも大きな話題を集める本作で、とりわけ熱い視線が注がれているのが、アン・ハサウェイだ。2026年のハサウェイは、まさに怒涛の公開ラッシュを迎えている。ファッション業界の裏側と師弟関係を描いた大ヒット作の続編で、自らの道を進む主人公を再び演じたロマンティック・コメディ『プラダを着た悪魔2』を始め、平穏な日常に潜む人間関係の歪みを描いた心理サスペンス『隣人たち』では謎めいた隣人を熱演。さらに、平穏な街に突然恐竜が出現する中で家族を守るため奮闘する母親を演じた体感型恐竜サバイバル・アドベンチャー『オークストリートの異変』(8月14日公開)や、ある事故により重体となり自宅療養中の人気作家を演じ、衝撃の展開が待ち受けるミステリーサスペンス『ヴェリティ/真実』(2026年秋公開予定)など、多様な作品で全く異なる顔を見せている。
近年の作品では思慮深い母親役や成熟した女性像を演じることも増えているハサウェイ。そんな彼女が、現在世界中で大ヒットを記録している『オデュッセイア』で挑むのは、イタケの王妃にしてオデュッセウス(マット・デイモン)の妻、そしてテレマコス(トム・ホランド)の母であるペネロペだ。
トロイア戦争の終結後、神々の介入や怪物の襲来によって10年もの間帰還を果たせない夫オデュッセウス。彼を待つイタケの宮殿で、ペネロペもまた孤独な闘いに直面していた。夫の不在に乗じて宮殿に居座り王位を奪おうとするアンティノオス(ロバート・パティンソン)ら野蛮な求婚者たちに対し、彼女は夫に引けを取らない知恵と機転で巧みに突っぱね続ける。気品あふれる佇まいの裏に強靭な精神と激しい怒りを内包し、愛する家族と故郷を守るために奮闘するペネロペ。妻であり、母であり、一国の気高い王妃でもある彼女の誇り高くたくましい人間力は、キャリアを重ねた今のハサウェイだからこそ体現できた新たな魅力と言える。
海外メディアのレビューでも、「彼女はキャリア最高級の演技を披露している。本作がマット・デイモンの映画でない瞬間があるとすれば、それはハサウェイの映画だ」「ペネロペが静かな怒りを燃やすシーンにおいて、その真価が存分に発揮されている」「長年試練に耐え忍ぶペネロペ役として完璧」など、絶賛の声が後を絶たない。
『ダークナイト ライジング』(2012)『インターステラー』(2014)に続き、ノーラン監督作品へ3度目の参加となるハサウェイ。ノーラン監督は「彼女はペネロペの成熟性と落ち着きを見事に体現しています。ペネロペは表面上は戦略的に振る舞っていますが、彼女が内に秘める熱い心もアンは余すことなく表現している。ペネロペという奥深いキャラクターの表面的な冷静さと内面の激情とのせめぎ合いを演じられるのは、俳優として卓越した能力を持つ彼女以外にいないと思いました」と絶賛し、全幅の信頼を寄せている。
一方のハサウェイも、「『オデュッセイア』をやると聞いた時、中学生の頃からギリシャ神話ファンの私は興奮を抑えきれませんでした。今でも時間があればギリシャ神話に関する番組を見るし、ギリシャ神話を題材にしたオルタナティブ文学も大好き。哲学、神話、感情、論理、スケール感、そしてイマジネーションが見事に融合した、人類史上最高傑作の物語の一つとも言える叙事詩『オデュッセイア』は私にとって特別な存在なんです。だからノーラン監督がそれを映画化すると聞いた時、『これ以上の題材とフィルムメーカーの組み合わせはあり得ない』と思いました」と興奮気味に語り、オファーを即決した経緯を明かしている。
本作で特にハサウェイが感銘を受けたのが、ノーラン監督によるペネロペとオデュッセウスの夫婦関係の描写だという。「ノーラン監督が描いたペネロペは、凄まじい闘志と情熱を内に秘めています。ペネロペが周囲に理解されていないと感じていた可能性に加え、オデュッセウスとの絆を強固にしている要因の一つが、そういった孤独感の共有だったという可能性が取り入れられている。二人の関係性にもしっかりと光を当てています。多くの局面でこの物語を左右するのは、二人がお互いにとってどういう存在かということ、そして二人が共に過ごす時間のクオリティなんです」──互いを深く理解し合うからこそ、20年もの歳月を超えて繋がる夫婦の絆。時代やジャンルを超えて観る者の心を揺さぶるこの普遍的なテーマは、今まさに世界中の観客を熱狂させている。そもそも、ホメロスの叙事詩は人口に膾炙するところのものであり、観に行く前から結末が分かっているという向きも少なくないはずなのに、これだけ多くの人々を魅了してやまないのも、その「普遍性」に依るところが大きいのではなかろうか。
さらに、夫オデュッセウスを演じたマット・デイモンの存在も大きな支えとなったようで、「マットは私たちのヒーローであり、彼の身体的な献身とリーダーシップから多くを学びました」と感謝を明かしている。まさに劇中の英雄オデュッセウスそのものと言えるデイモンの圧倒的な佇まいとリーダーシップが、ハサウェイの真に迫る名演を後押ししたようだ。
毅然として夫の帰還を信じ、心細さを隠して城と息子を守り続ける――これまでのハサウェイ作品とも一線を画す、繊細で胸を打つペネロペの佇まいは必見だ。ハサウェイ史上最高の演技と称されるその姿を、ぜひ映画館で確かめていただきたい。
■出演者
オデュッセウス:マット・デイモン
テーレマコス:トム・ホランド
ペネロペ:アン・ハサウェイ
アンティノオス:ロバート・パティンソン
アテナ:ゼンデイヤ
カリュプソー:シャーリーズ・セロン
シノン:エリオット・ペイジ
キルケ:サマンサ・モートン
ヘレネ/クリュタイムネストラ:ルピタ・ニョンゴ
■スタッフ
監督/脚本:クリストファー・ノーラン
製作:エマ・トーマス、クリストファー・ノーラン
エグゼクティブプロデューサー:トーマス・ヘイスリップ
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