Ubuntu Linuxの開発元であるCanonicalは7月8日(米国時間)、「Canonical enables Linux desktop app support with Flutter|Ubuntu」において、アプリケーション開発フレームワーク「Flutter」にLinuxデスクトップ・アプリケーション開発をサポートする機能が追加され、アルファ版として利用できるようになったこと伝えた。この機能の開発はCanonicalとGoogleが共同で取り組んだもので、作成したアプリはLinux向けのアプリストアであるSnap Store経由で公開することができる。
FlutterはGoogleによって開発されたオープンソースのアプリケーション開発フレームワークである。AndroidやiOSといった複数のプラットフォーム向けのアプリケーションを、単一のコードベースで開発できる点が大きな特徴。当初はモバイルアプリ向けに開発されていたが、Googleは2019年にその対象をデスクトップアプリにまで拡げることを発表した。
これに協力の手を挙げたのがCanonicalである。最新のUI機能をサポートするFlutterは、Linuxアプリ開発のプラットフォームとしても魅力的だ。Canonicalは特にFlutterの以下の点を高く評価しているという。
- 急成長中のエコシステム
- 複数プラットフォームのサポート
- 高度に最適化されたネイティブアプリケーション
- 宣言的/リアクティブ/コンポーザブルなウィジェットをサポートするモダンなUIフレームワーク
- Visual Studio CodeやAndroid Studio、IntelliJなどを活用したリッチな開発環境
Flutterをデスクトップアプリ開発に対応させる作業として、マウスとキーボードのサポート強化や、サイズ変更可能なトップレベルウィンドウのサポートなどを含む、Flutterエンジンに対する大幅なリファクタリングが実施されたという。また、デスクトップに適した新しいUI機能の追加や、システムメニューバーや標準ダイアログへのアクセスのサポートといった拡張も行われている。
GoogleはすでにFlutterによるmacOSアプリ開発の機能をアルファ版として提供しているが、今回これにLinuxが加わったことになる。Flutterチームでは、ほかにもWindowsやSurface Duoへの対応が進められているとのことだ。