NTTドコモは4月17日、ドローンを活用した新たなビジネスの創出に向けて、プロペラや羽ばたき翼を使わず、超音波振動を活用して空中を移動する安全性の高い屋内向けの飛行船型ドローンを開発したと発表した。

  • 羽根のないドローン外観

羽根のないドローンの主な仕様は、直径が最大約90cm、最大飛行速度が約20cm/秒、連続飛行時間が約1~2時間。

プロペラや羽ばたき翼によって空中を移動する従来のドローンとは異なり、羽根のないドローンはヘリウムガスが充填された風船の浮力によって浮遊し、さらに「空気ポンプ」として動作可能な超音波振動モジュールによって推進力を生み出すことで、空中を移動する。

従来のドローンは、空中を移動する際に必要となるプロペラや羽ばたき翼などが人や物に衝突すると、大きな怪我や破損につながる可能性があるという課題があった。これに対し、羽根のないドローンでは、それらのパーツの代わりに、人が触っても安全な微小な振動により風を起こす超音波振動モジュールを活用することにより、飛行時の音が静かで、安全なドローンを実現した。

今後は、イベント会場やコンサートホールなどの屋内において羽根のないドローンを飛行させることで、空飛ぶ広告や道案内などに活用するほか、機体に搭載されたカメラから撮影した映像と画像解析技術を組み合わせて、空中からの監視や警備ソリューションに活用することを想定しているという。

また、羽根のないドローン本体にプロジェクションマッピングをすることにより、空中に映像を表示する空間演出ソリューションの提供も検討する。

  • 機体側面の超音波振動モジュール

  • 本体への映像投影イメージ