ルネサス エレクトロニクスは3月7日、国内の半導体工場に対し、一時的な生産停止の実施を検討していることを明らかにした。

同社は2019年3月時点で、前工程工場を6拠点(那珂工場、高崎工場、滋賀工場、西条工場、山口工場、川尻工場)、後工程を3拠点(米沢工場、大分工場、錦工場)の合計9拠点を有しているが、前工程工場は4月下旬からと8月ごろに合わせて最大で2カ月間の操業停止を行う方針とするほか、後工程工場も週単位で複数回の操業停止を選択肢として検討しているとする。

今回の措置の背景には、2019年会計年度(12月期)における半導体の市況が不透明感を増していることが挙げられる。特に中国市場の減速の影響が大きい模様で、具体的な一時生産停止日数については、今後の需要動向および顧客への供給状況に沿い決定していくとしている。

なお、同社では過去、生産調整を実施したものの需要の変動に追随できず、過剰在庫を生み出した経緯がある。今回の措置は、そうした経験から、需要の変動に応じて、生産稼働を調整し、コストを抑える一方で、過剰な在庫を抑え、需要軟化時にも利益が確保でき、需要の想定が大きく振れた場合でも追随できる体制構築を企図したものだとしており、今後の工場運営については継続して柔軟に判断していくとしている。