日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は8月6日、「ワークスタイル改革に関する意識調査」の調査結果を発表した。同調査は、JUAS の会員企業であるSCSK、NTTデータ、ガートナー ジャパン、サントリービジネスシステム、シーエーシー、全日本空輸、ニッセイ情報テクノロジー、パソナグループ対象として行ったもので、回答者は427人、性別は男性86%、女性14%。

ワークスタイル改革は、回答者の96%が必要と感じているほか、既にワークスタイル改革を実施中の回答者は60.7%、計画中も含め実施前の回答者は39.3%だった。

ワークスタイル改革において「最も重要な施策は?」という質問においては、会議やチームワークの効率化(34%)が第1位だった。これに、在宅勤務(26%)、モバイルワーク(17%)が続いており、これまで実施されてきた会議やチームワークの効率化に加えて、在宅勤務などが重視されるようになったことが明らかになった。

回答者自身が在宅勤務やモバイルワークをする場合のポジティブな影響については、「通勤や移動時間への効果」が実施前回答者、実施中回答者ともに最も多く、通勤や移動時間が負荷と感じているようだ。育児・介護、人材確保への効果と並んで、生産性向上にも効果があるという回答も多かった。

  • 回答者自身が在宅勤務やモバイルワークをする場合のポジティブな影響 資料:JUAS

特に実施中の企業の回答者で生産性への効果が上がっていると感じられており、このことは、在宅勤務やモバイルワークが事前期待値よりも生産性が向上することを示唆していると考えられるという。

一方で、「育児や介護の必要が生じた際には有効である」は実施中回答者で約37%と高いが、実施前回答者では約53%とさらに高い数値であり、これは、実施前の期待値が高すぎるものと考えられるとしている。

また、在宅勤務、モバイルワークをする場合のネガティブな影響として、ワークスタイル改革未実施者では、「仕事とプライベートの区切りが難しい」や「コミュニケーションに関する不安がある」という回答が多いが、すでに実施中の回答者ではこれらの項目は減少し、「疎外感や孤独感がある」という回答は増加していた。

  • 回答者自身が在宅勤務やモバイルワークをする場合のネガティブな影響 資料:JUAS

部下が在宅勤務、モバイルワークをする場合のポジティブな影響については、実施前は「ワークライフバランスに効果がある」との期待が高いが、実施中の回答者では減少している。一方で、「介護・育児に有効だと思う」と考える回答と、「部下の残業時間削減」についての効果を感じている比率が実施中回答者で高くなっている。

部下が在宅勤務、モバイルワークをする場合のネガティブな影響も調査しており、実施前回答者は「部下とのコミュニケーション」を懸念しているが、実施中回答者ではコミュニケーションについての課題感は減っている。「部下の評価方法」や「部下の生産性低下」についても実施中回答者で不安の減る傾向が見られ、むしろ実施中の回答者は、「部下の働きすぎ」を懸念していることが見てとれたという。

なお、未実施あるいは計画中の企業の回答者で、部下に積極的に在宅勤務をさせたいという回答は半数近かった。

基礎データから性別、年代、職責、そして業種に関してクロス分析を行った結果、主な傾向として、男女差では、女性は実施前にはコミュニケーション等に対する不安が大きいが、実施中回答者ではそれらの懸念が大幅に減っている。特に女性は、人材確保や生産性向上には在宅勤務が有効と評価している。育児や介護への在宅勤務の効果は男女ともに評価が高いなどの結果が得られた。

業種による差としては、商社流通業と金融業では在宅勤務を重要施策とする回答が他業種に比べて高く、金融業ではワークスタイル改革を生産性向上や業務プロセスの見直しと位置付けているようだ。