Phone Appliは2月7日、働き方改革を意識した東京・神谷町のオフィス「CaMP」へ同13日に本社を移転すると発表した。本格オープンに先立ち、報道陣へ向けたオフィスの内覧会が行われた。

スノーピークのギア用いたアウトドアオフィス

「コミュニケーション改革No.1企業」をミッションに掲げるPhone Appliは、Web電話帳アプリケーション「連絡とれるくん」を主軸として、ビジネスにおけるコミュニケーションの効率化を実現するためのサービスを展開している。

移転先のCaMPは、自社サービスおよび提携企業製品のショーケースとしての意味合いも強い。自社においても率先してコミュニケーション改革、ひいては働き方改革を進めていきたいというわけだ。

CaMPとは、Collaboration and Meeting Placeの略で「協創や対面の場所」として定義されている。外観はその名のとおり、キャンプ場を意識したものになっており、オフィス中央には大きなテントが張られている。打ち合わせスペースの椅子や机もアウトドア用品だ。アウトドアインテリアを活用した屋外オフィスを手がけるスノーピークビジネスソリューションズとの提携によって実現した。

  • テントの中ではミーティングが行われていた

    テントの中ではミーティングが行われていた

実際にキャンプで使われる持ち運び容易な椅子や机を利用することで、オフィス空間の有効活用が可能なほか、観葉植物やアロマディフューザーなどの設備を整えることで、社員のストレス軽減を意識した。小鳥のさえずり音が聞こえてくるのも、CaMPならではの特徴だろう。

  • スノーピークのキャンプチェアとテーブルで構成されたオープンスペース
  • スノーピークのキャンプチェアとテーブルで構成されたオープンスペース
  • スノーピークのキャンプチェアとテーブルで構成されたオープンスペース

  • 打ち合わせスペース
  • 観葉植物
  • 打ち合わせスペースと観葉植物

「CaMPという名に相応しいよう、生きものとしての根本的な部分をオフィスに取り込み、自然と自由にコミュニケーションできるようなスペースにしていきたい」と、Phone Appli 代表取締役社長の石原洋介氏は説明する。

  • Phone Appli 代表取締役社長の石原洋介氏

    Phone Appli 代表取締役社長の石原洋介氏

また、オフィス奥にある四角く透明な大きな箱が一際目を引く。これは上長との密なコミュニケーションを促進するための、防音性を備えた1on1ブースだという。

  • 1on1ブース

    1on1ブース

社内のコミュニケーションに重きを置くPhone Appliでは、上長との30分程度の面談が週1回設けられている。オフィス移転後はこの面談を1on1ブースで行っていく予定だ。また今後は、発話や笑い声を検出するセンサなどを設置することで、面談で良いコミュニケーションが生まれていることを確認していきたいとしている。

オフィス内で働く人たちの環境が整っているのはもちろん、Phone Appliではリモートワークも推進しており、ビデオ会議システムやデジタルホワイドボードなど、円滑なリモートワークを進めるための最新IT機器も豊富に揃えている。

  • Surface Hubで会議中

    Surface Hubで会議中

  • Cisco Sparkで遠隔拠点とミーティングも可能

    Cisco Sparkで遠隔拠点とミーティングも可能

Phone Appliが8日より提供開始する社員の位置を可視化できるサービス「居場所わかるくん」も活用することで、同僚が働いている状況が見えづらいといったテレワークやフリーアドレスの課題を解消しつつ、遠隔でのコラボレーションを促すことが可能だ。

  • 「居場所わかるくん」のダッシュボード

    「居場所わかるくん」のダッシュボード

Phone Appliが考える働き方改革とは

CaMPは、コミュニケーションの活性化こそが働き方改革に貢献する、という同社の思いが反映されたものであるといえよう。働き方改革は、新しいサービスや企画を生み出し、企業の価値をアップするために行うべきもので、"働き方改革=残業削減"は間違ったメッセージであると指摘する石原氏。

「残業代が減ってしまうことで仕事のモチベーションがなくなる社員もいる。働き方改革に大事なのは、社員の力を最大限に引き出せる環境。それが自宅であれば在宅勤務をすれば良いし、直接コミュニケーションが取りたい人は会社に来れば良い。社員が最もパフォーマンスが出せる場所で働けるような制度作りを進め、選択できる自由を与えていくことで働き方改革を実現したい」と語っていた。