フロムスクラッチは2月5日に「『b→dash』事業戦略発表および、新CM・イメージキャラクター発表会」を開催し、同社が開発するマーケティングプラットフォーム「b→dash」の大規模アップデート「b→dash Prime Update」と、新プロダクト「b→dash Lite」を発表した。

「b→dash」は企業が保有するユーザーデータ・広告データ・購買データなど、マーケティングプロセス上に存在する全てのビジネスデータを、一元的に取得・統合・活用・分析するSaaS型マーケティングソリューション。「いつでも・誰でも・ひとつで」データを活用したマーケティング業務を実行できるのがコンセプトだ。

フロムスクラッチ 代表取締役CEOの安部泰洋氏「近年は、デジタルマーケティングの競争激化によって新規の顧客獲得が難しくなっているため、企業は既存顧客の収益向上へとシフトチェンジしている。顧客のフォローアップをしっかりと実行するためには、顧客データが必要だ。また、労働時間を適正化したいという企業ニーズも増加。労働生産性を向上させるためにも、データの活用がいっそう求められるようになってきている」と、データ活用経営が求められる社会的背景について分析する。

  • フロムスクラッチ 代表取締役CEOの安部泰洋氏

    フロムスクラッチ 代表取締役CEOの安部泰洋氏

  • データ活用経営が求められる背景

    データ活用経営が求められる背景

新たに搭載された4つのコア・テクノロジー

今回の「b→dash Prime Update」は、データの取得、設計、統合、変換、活用に至る各フェーズの課題をテクノロジーで解決するアップデートだ。「Data Preparation Engine」「Data Reactor」「Data Pallet」「Data Learning Drive」という4つのコア・テクノロジーが搭載されており、これらのテクノロジーは業界初(特許申請中)だという。

  • 4つのコア・テクノロジー

    4つのコア・テクノロジー

「Data Preparation Engine」は、データ活用に必要な工程である「データ設計(前処理工程)」を自動最適化する、業界初の"データ予測整形エンジン"だ。これまでエンジニアが150時間以上の工数をかけて実施していたデータ設計(データクレンジングやデータモデリングなどの前処理工程)をAIによって自動最適化することで、作業工数を80%以上削減できるという。

「Data Reactor」は、データ活用時に必要な「データ統合」を自動最適化する、独自の"データフォーマット生成技術"。データサイエンティストやエンジニアが作成していた「データ統合」フォーマットをAIが自動生成することで、従来の工数の94%以上を削減できるという。

「Data Pallet」は、データの変換時に必要だった「SQL業務」を不要にする"高速クエリ生成技術"。新しい施策や分析を検討するたびに、特定のスキルを持つエンジニアが約123h/毎を費やして行っていたデータ変換(データ抽出、データマート作成等)を不要とし、GUI上の操作でデータマートを誰でも1h/毎で生成することに成功した。

「Data Learning Drive」は、独自のAIとアーキテクチャーによる"自己学習プラットフォーム技術"だ。データの取得から統合、活用までをワンプラットフォームで学習し続けることで、チャネルや施策、タイミングを横断した、プロモーションの自動最適化が可能となり、施策や分析をする度にプラットフォームが学習していき、新たなデジタルプロモーション施策の成功確度が日々上昇を続けるという。

  • 「Data Preparation Engine」の効果

    「Data Preparation Engine」の効果

  • 「Data Reactor」の効果

    「Data Reactor」の効果

  • 「Data Pallet」の効果

    「Data Pallet」の効果

  • 「Data Learning Drive」の効果

    「Data Learning Drive」の効果

中小・ベンチャー企業向けの「b→dash Lite」

今回のアップデートによって生まれた新プロダクトの「b→dash Lite」は、中小企業やベンチャー企業を対象としたデータ活用プラットフォームだ。

  • 新プロダクト「b→dash Lite」

    新プロダクト「b→dash Lite」

「中小企業やベンチャー企業は、予算がなかったり、人材不足によって工数をかけることができなかったり、リテラシーを持っている人がいなかったりと、データ活用経営を行うにあたって、大きな壁があった」と、安部氏。

「b→dash Lite」は、「安価に、すぐに、簡単に」使うことができるのが特徴。アップデートによってデータ処理作業が自動化されたことで、従来ツールの1/6である5万/月から提供できるようになった。また、平均41日かかっていた導入までのスピードを3日まで短縮し、データサイエンティストがいない企業でもデータ活用を推進できるのだという。

また、中小・ベンチャー企業向けの新プロダクトを提供開始することでターゲット層が広がった同社は、今回新たに12社とパートナーシップを締結したことも発表した。

  • フロムスクラッチとパートナーシップを組んだ12社

    フロムスクラッチとパートナーシップを組んだ12社

主な取り組みの内容は、クライアントへのデータ活用共同提案・提供や、新機能の共同開発、AI×ビッグデータ領域に関する共同研究などだ。

「b→dash」新CMイメージキャラクターのおぎやはぎが働き方改革を語る

なお、発表会では新CMのイメージキャラクターである、おぎやはぎの2人が登壇し、CM撮影の裏話や働き方改革についての意見を語った。

「2人が働き方改革をしたいと感じるときはどのようなときですか?」という問いに対して、小木さんは「午前中から仕事が入ったとき」と回答。その理由として「午前中は頭が働かないのでテンションを上げるのがつらい。朝から笑えないでしょう」と、お笑いは夜にやるべきだと主張した。また、矢作さんは「長期の休み」と答え、「旅行が好きなので1カ月くらいの休みがほしい。『b→dash』でなんとかできないか」と芸能界でも働き方改革を進めてほしいと訴えた。

  • CMのイメージキャラクターに起用されたおぎやはぎの2人

    CMのイメージキャラクターに起用されたおぎやはぎの2人