英ARMは、同社のプロセッサコアである「Cortex-M0」と「Cortex-M3」の設計開始時のライセンス費用の無償化を含む、「ARM DesignStart」プログラムの強化を発表した。

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今回の発表の主な内容は、 ARM DesignStartプログラムにARM Cortex-M3プロセッサを追加したこと、設計開始時のライセンス料なしで200億個の出荷実績を誇るプロセッサコア「Cortex-M0」と「Cortex-M3」ベースのSoCの設計が可能になったこと、1兆個のIoTデバイスが存在する未来に向けて極めて迅速かつ容易に実証済みのプロセッサの評価と商用化が可能になったこと、包括的なIPサブシステムとARM mbed OSの検証済みサポートによりCortex-M3ベースのSoC設計を促進することの4項目。

同プログラムの強化により、ARM Cortex-Mシリーズで最も成功しているCortex-M3プロセッサを同プログラムに追加された。幅広いスマート組み込みアプリケーションに対応するべくCortex-M0も同プログラムに引き続き適用可能となる。

また、設計開始時のライセンス費用と評価を無償化することで、成功報酬型のロイヤルティモデルが適用されカスタムSoCの開発リスクが低減するほか、即時の無償ダウンロード、評価、プロトタイプ開発が可能となり、CPUの商用化を数日内に実現している。

さらに、ARM CoreLink SDK-100に含まれる実証されたサブシステムやシステムIPソリューションへのオンラインアクセスにより、生産までの開発期間を大幅に短縮される。

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このほか、CoreLink SSE-050サブシステムとmbed OSに対する検証済みのサポートにより、拡張性とセキュリティを備えたマネージドIoT製品の開発にかかる生産性が10倍以上向上するのに加え、同社および同社認定のデザインハウスパートナーによる設計サポートサービスにより、「チップが欲しいだけ」という企業もカスタムSoCで収益を生み出せるという。さらに、何千ものフィジカルIPライブラリを利用できるため、高速で効率的なシリコン実装が可能だ。

これにより、シリコン設計チームは、毎時50万個出荷されるプロセッサコア、Cortex-M0とCortex-M3を活かした革新が容易となり、極小センサーから高集積度のSoCまで、日常的なインテリジェンスを支える幅広い機器の設計がカスタマイズを実現できるという。

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