UQコミュニケーションズは6月1日、2017年夏期向けの発表会を行い、最安で1,480円/月からスマートフォンを持てる「UQ家族割」などの新サービスや新端末を発表した。事業者種別としてはMVNOではあるものの、事実上auのサブブランドと化している同社だが、アグレッシブな料金戦略でライバルに猛追する勢いだ。

発表会では、この半年でCM攻勢などにおり、UQ mobileの認知度が61%から89%へと急上昇しており、これに合わせてVoLTE対応機種の拡充やUQ学割、iPhone SEの発売などの施策を投入して来た。この結果、CMを開始した2016年10月以降の新規契約数は予想を上回る勢いで急速に伸長しているという。

同社の野坂章雄社長によってプレゼンテーションが行われた

新規契約の伸び率は順調だが、契約数で見るとMVNOとしては5~6位といったところにあたるようだ

そして2017年夏期には、この勢いをそのままにさらに一歩先へ進めるために、料金プラン、端末のラインナップ、サービス、顧客との接点(タッチポイント)の4つについて強化していくとした。

料金プランとして発表されたのが「家族まるごとUQ」というキャッチフレーズで、同一家族で複数人がUQ mobileに加入する場合、一人当たり500円の値引きになるというもの。データ容量2GBの最小パックの場合、1,980円-500円=1,480円/月(税別、以下同)となる。これは音声通話プランを持つMVNOと比べても平均的な数値と言っていいだろう。

シンプルに500円値引きするだけのサービスだが、元が安いだけに相対的な効果は絶大だ。ファミリープランを抱えるMVOに対する強力な武器にもなる

これまで携帯電話の料金は、MNOが5,000~6,000円、サブブランドが2,000円~3,000円前後、MVNOは1,000~2,000円前後という感じで住み分けていたが、UQ mobileがMVNOの領域に踏み込んできた形となった。もともとMVNO各社からは、UQ mobileなどサブブランドの広告攻勢や値引きなどは評判があまりよくない。そこへ来てUQ家族割による値引きがさらに追加されるわけで、場合によっては総務省の介入などもありうる事態になりそうだ。逆に言えば「家族割引」はそれだけ魅力的なサービスであり、ワイモバイルなどライバルも何らかの形で追随してくると予想される。