UQコミュニケーションズは元々KDDIの子会社としてWIMAX網の整備と販売を担当している会社だったが、KDDI傘下のMVNOであるKDDIバリューイネーブラと合併し、そのMVNOサービスである「UQ mobile」のブランドを引き継いだという事情がある。WIMAXは主に家庭用またはモバイルルーターによるデータ通信に使われており、月間の容量無制限の「ギガ放題」プランが提供されているが、今年2月に3日で3GBという制限を3日で10GBにまで緩和し、これを超えた場合の制限期間も混雑時のみ、また制限モードでの速度も「Youtubeの標準画質が見られる程度」という表現から「おおむね1Mbps」と具体化するといった緩和措置が取られている。

2月に行われた大幅な規制緩和で固定網の代わり、ラスト1マイルというWIMAX本来の利用が現実化した

スマートフォンでも20GB、30GBといった大容量プランが提供されはじめたが、WIMAXの制限が3日で10GBということは1ヶ月で100GBを制限なく利用でき、また価格も月額4,380円と安いことをアピール。最大速度である440Mbpsのエリアも全国に拡大中であり、山間部などWIMAXの届かない部分ではau網のLTEを使う「LTEオプション」(1,005円/月)でカバーするなど、隙のないネットワークを構築。またLTE(7GBまで)が容量を超えるとWIMAXまで制限モードに入ってしまうため、LTEの使用量が残りわずかになるとルーターの画面上で告知するカウンター機能を提供する。

最近は光ファイバー網を引くよりも、すべて無線で解決できるWIMAXホームルーターを置く人も増えているという

そしてパケット使用量が多い人に対しては、大容量プランを提供するのではなくWIMAXとの併用を推奨。スマホとルーターを同時に使ってもMNOの大容量プランより安く済ませられることをアピールし、家の中から外まで「家族まるごと、どこでもUQ、だぞっ」というキャッチフレーズで訴求していくことを発表した。

発表会の後半にはピンクガチャ&ブルームックに加え、CMに登場中の深田恭子さん、多部未華子さん、永野芽郁さんが登場して新CMを披露。発表会に花を添えた

今回の発表では、新端末よりもやはりUQ家族割のインパクトが大きい。これまでサブブランドとMVNOの間にあった価格帯での薄い壁が取り払われたような形になり、MVNOにとっては戦々恐々といったところだろう。MVNOによってはCM攻勢など資本力の差が不公正だとまで指摘するところもあり、今回のUQ家族割が総務省の目に止まらないか、興味深いところだ。

MMD研究所が発表した2017年春商戦までの調査によると、UQ mobileはMVNO中8位(シェア約5.2%前後)だという。今回の新サービスでこれがどのように大きく作法してくるのか、注目したい。