消費電力

消費電力については、ワットメーターを使い、

  • Power Saverプロファイルにおける、何も作業をしていない待機状態の実効消費電力
  • High Performanceプロファイルにおける、何も作業をしていない待機状態の実効消費電力
  • SandraでDhrystone実行中の実効消費電力の最高値
  • SandraでWhetstone実行中の実効消費電力の最高値
  • SandraでMulti-Core Efficiency実行中の実効消費電力の最高値
  • TMPGEnc 4 XPでソース4本を同時にエンコード中の実効消費電力の最高値

をそれぞれ目視で確認した。ちなみにCore 2やPhenom IIでPower SaverとHigh Performanceの間に殆ど差が無いのは、倍率やFSBの設定を変えるとEISTやCnQが上手く動かない(CPUというよりはマザーボード側の問題だと思うが)ためである。

結果はグラフ26に示す通りで、これだけ見ているとLynnfieldの消費電力の低さが引き立つ形だ。ただこの数値はシステム全体の実効消費電力だから、CPUの消費電力そのものではない。そこで、稼働中の消費電力から待機中の消費電力を引いた、いわばActive Powerを計算したのがグラフ27である。厳密に言えばHDDのアクセスとかメモリアクセスなどの分も加味されているが、これはそれほど大きいものではないと判断した。

結果から言うと、同一周波数のNehalemと比較して、若干省電力化が実現しているようだ。これは特にTMPGEncのような、メモリアクセスが多いケースで顕著である。勿論DDR3-1066→DDR3-1333という高速化で多少消費電力は増えているものの、3chを2chに減らした効果は大きいということだろうか? また、Nehalemは電流/電力制限が110A/130Wなのに対しLynnfieldでは89A/95Wなので、消費電力が増えにくい(早めに制限がかかる)という事情もあるだろう。ただHyper-Threadingを有効にするとそれなりに増えるあたりはどうしようも無いが、大雑把にいってCore i7-870はCore i7-920と同等程度のActive Powerであることがここから確認できる。