Enermaxのブースで興味深かったのは、「PFA」(Pump Free AIO)クーラーのデモ。通常のオールインワン(AIO)水冷クーラーは、内部を流れる冷却液の循環のためにポンプを内蔵しているのだが、これは、それが不要というもの。静音性が向上するほか、ポンプの故障というメカニカルトラブルの心配も無くなる。

  • Enermaxのポンプレス簡易水冷。デモ機ではRyzen 9 9950Xが動いていた

    Enermaxのポンプレス簡易水冷。デモ機ではRyzen 9 9950Xが動いていた

水冷ブロックとラジエータの間を冷却液が循環するのは、通常の簡易水冷と同じ。違うのは、冷却液が液体のままではなく、水冷ブロック→ラジエータは気体、ラジエータ→水冷ブロックは液体と、相変化を利用して、熱を輸送することだ。CPUなど発熱部で気化する際に、吸熱するという仕組みである。

  • 水冷ブロックはデモ用に透明なケースになっていて、中が良く見える

    水冷ブロックはデモ用に透明なケースになっていて、中が良く見える

  • 左側のチューブを通って気体が上昇し、右側から液体で戻ってくる

    左側のチューブを通って気体が上昇し、右側から液体で戻ってくる

<動画>ブクブクと気化する様子は動画の方が分かりやすい

気体で上昇し、液体で流れ落ちる。この循環は重力による対流のため、ラジエータは上方に設置する必要がある。このデモ機では、流れやすくするよう、ラジエータは傾けて置かれていた。

  • ラジエータはこのように傾いて設置されていた

    ラジエータはこのように傾いて設置されていた

同社のシステムの大きな特徴は、冷却液にダイキンのフッ素系液体「DAISAVE SS-49」を使っていることだ。この液体は、沸点が49℃と水より低く、CPUを低い温度でキープしやすいというメリットがある。絶縁性も高く、液浸に使えるほどなので、万が一漏れてもショートの心配はない。

冷却能力の目標は900Wで、CPUとGPUの両方を1つのクーラーで冷やすことを狙う。今回展示されていたのは開発中のプロトタイプだったが、ハイエンドユーザー向けに製品化する予定で、来年の発売を予定。ポンプレスの簡易水冷は、Noctuaも開発を進めており、今後、トレンドの1つとして製品が増えてくるかもしれない。

・COMPUTEX TAIPEI 2025 - EnermaxがGeForce RTX 5090×4枚の2相液浸冷却ワークステーションをデモ
https://news.mynavi.jp/article/20250523-3333967/

・COMPUTEX TAIPEI 2025 - Noctuaがポンプ不要の2相式冷却をアップデート、動作デモも公開
https://news.mynavi.jp/article/20250523-3333342/