ところで微妙なのが価格である。単体で見ると判りにくいので、競合する従来のQuad Core製品も一緒に示してみた(図1)。ちなみに価格については、9月6日における公式価格(Core 2 Quad / Core i7 / AMD)をそのまま掲載したので、実売価格とは若干差があるとは思うが、大きく傾向が変わるわけではないだろう。

図1

なかなか戦略的というか、非常に興味深い価格になっている。まずCore i5-750はIntelのNative Quad Coreとしては初めて$200を切り、Phenom II X4に対する価格面のアドバンテージを主張している。その一方でCore i7-860はCore i7-920と、Core i7-870はCore i7-950と同じ価格にポジションされており、少なくとも性能面で両者は同じポジションにあることを主張している。また、Core 2 Quad系列が高めに設定してあるあたりも、Quad Coreを利用する用途では早めにCore i5/i7に移行するように促したいのだと考えられる。もっとも既に報じられた通り、Intelはブランドの組み換えを行うので、今後Core 2 Quad系列のラインナップはCore i5/i7(Core 2 Duao系列はCore i3/i5)として発売されなおす事になると思うが、それでも同じブランドに複数のアーキテクチャ/プラットフォームが混在するよりは、早めにLynnfield系列に移行させてしまいたいのだと考えられる。

もっとも、特にCore i5系列の価格付けにはちょっと疑問がある。LynnfieldではPCIeを追加したことで、ダイサイズがNehalemよりも明らかに大きくなっており、にもかかわらずメインストリーム向けということで価格は低めである。原価が上がり、売価が下がっている訳で、利益はCore i7よりも相当抑えられる事になる。まぁ赤字にならなければいいのかもしれないが、ちょっと気になる部分だ。