米Freescale Semiconductorのプライベートショーである「Freescale Technology Forum 2008 Americas(FTF)」の約1カ月前となる4月7日、Freescaleはファブレスの半導体メーカーである米SigmaTelを買収した事を発表した。SigmaTelはオーディオコントローラを中心としたMixed Signal技術に定評がある会社で、例えばPCのHD Audio CodecといえばAnalog DevicesかSigmaTelといった具合だった。もっとも最近はRealTeKなどの低価格Codecがずいぶん多くなってきたし、SigmaTel自体も2006年7月にPC向け製品をIDTに売却しており、最近はコンシューマ向け製品に特化していたから、あまり知名度は高くないかもしれない。

さてFreescaleとSigmaTelの製品は補完関係にある、と言われているが実際のところはちょっと微妙な感じではある。というのはFreescaleも当然オーディオ関連製品を持っているからだ。ハイエンドではSymphony Audio DSP 563XXシリーズという製品を持っており、業務用機器や高級オーディオなどに多く採用されている。

これは会場に展示されていたBehringerのUB244FX-PRO。Symphony Audio DSP56364が搭載されているそうな

その一方、i.MXやMXCなどのコンシューマ向け製品は当然Audio Codecを搭載している訳で、こうした製品も当然自前で搭載している。ただこれらは言ってみればローエンドにあたる訳で、従ってこの両者の間を埋める製品ポートフォリオをSigmaTelが持ち合わせていれば、うまく補完関係が築けることになる。実際プレスリリースによれば、SigmaTelの部隊はi.MXを扱うMultimedia Application Divisionに統合されることになっており、このあたりの話も含めて、Press Conferenceの内容をまずはレポートしたい。