本連載ではここまで、Windows365について「端末ごとのアップデートやバッチ処理が不要」「端末性能への依存度が低く、高パフォーマンス」「シンクライアントでも利用可能」といったメリットを紹介してきた。今回は「他 OSの端末であっても、Webブラウザが搭載されていれば利用可能」というもうひとつのメリットに焦点を当て、その効果を最大限に発揮する使い方を考えてみよう。

  • テレワークをしている女性

Chrome OSを利用するメリットとは?

連載2回目でも紹介したとおり、DaaS (Desktop as a Service)であるWindows365は、インターネットにつながったWebブラウザが搭載されていれば、その端末のOSがWindowsでなくても利用できる。そこで特に注目を集めているのが、Chrome OSとの組み合わせだ。

Chrome OSの特長は、その軽快さにあると言える。WindowsやMacなどで作業しようとしたときは、端末にインストールしたソフトウェアを起ち上げるのだが、作業中のリソース管理、一時的なデータ保存など、多くの処理を行うことになるので、作業量が多くなればパフォーマンスも落ちてしまう。

しかしChrome OSではこうした処理のほとんどが、クラウド上で行われる。ドキュメントやスプレッドシートなどは、ブラウザソフトであるGoogle Chrome上で動作するWebアプリを利用して行う仕組みとなっている。それによりOSの処理は少なくなり、クラウド上の大きなリソースを使用できるため、ネットワーク環境さえ整っていればアプリの作業は軽快に行える。

そして作成したファイルやユーザーが行った設定などは端末ではなく、クラウド上に保存される。そのためGoogleアカウントにログインさえできれば、端末に依存せずに作業を続けることが可能だ。仕事のつづきを自宅のPCで…ということも可能になり、在宅ワークにも向いていると言える。クラウドに保存したファイルをダウンロードして、端末に保存することも可能だが、重要なファイルを保存した端末を紛失したり盗まれたりするリスクをふまえると、特に理由がなければ、クラウド上に保存しておくことをおすすめする。

このようにChrome OSはデータを端末に残さず、またソフトウェアをインストールせずに基本的な作業を行える。そのうえChrome OSの搭載を前提とした端末「Chromebook」シリーズは一般的に軽量で、持ち運んでの作業にもぴったりだ。

Windowsファイルを利用しつつ、Chrome OSの恩恵にあずかる

さて、ここまで紹介したChrome OSの特長を知って「すぐにChrome OS環境に移行してみたい」と思われる方もいるかもしれないが、実はひとつの障壁がある。Google Chromeで利用できるアプリで作成されたファイルと、Microsoft Officeのファイルには、完全な互換性があるわけではないのだ。既存のビジネスや取引先の多くが、Office形式のファイルを利用しているのを無視するわけにはいかないだろう。

そこで注目されているのが、Chrome OSとWindows365を組み合わせて使う方法だ。Windows365もChrome OSと同様に、「スピーディに動く」「データはクラウド保存」「アカウントがあれば別端末からの利用も可能」などの特長を持っているので、両者の親和性は高い。WordやExcel形式での保存が必要な場合はWindows365にログインしてOfficeで作業し、そのほかの作業はGoogle Chromeのアプリで…というように、端末にデータを残さずに、状況に応じた使い分けが可能になる。

Windows365＋Chrome OS環境を、月額レンタル端末で

クラウドを始めとしたIT技術でビジネスを支援しているサテライトオフィス社では、こうした組み合わせのニーズに応えるかたちで、Chromebookのレンタルサービスを提供しており、デバイスの選定から端末のレンタル、導入後のサポートまで任せられる。利用料は月額制のサブスクリプションとなっている。機種も豊富に取り揃えられており、予算や用途にあわせたものを選ぶことができる。またChromebookに必要なアドオンツール、たとえばシングルサインオンやAI顔認証などのバンドル提供も行われている。

  • Chromebookレンタルサービス取り扱い機種一覧

さらにグループ企業のネクストセットがWindows365の導入支援を行っているので、サテライトオフィスグループのワンストップで、Windows365＋Chrome OSの環境を構築できる。

――コロナ禍で働き方が大きく変化した今、どこでも安全に仕事ができる環境をつくるために、こうした新たな技術、サービスの活用を検討してみてはいかがだろうか。

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