ToDo管理ツールというジャンルのアプリケーションは、Webアプリケーションの分野で最も多く開発されているのではないかと思えるくらい、たくさん存在しています。今回紹介するサービス「TheDeadline」は、Twitterライクな記述方法を使ってタスクを管理・共有できるToDo管理ツールです。

TheDeadlineはいわゆるタスク管理ツールですが、特徴の1つとして「Twitterライクな記法」があります。また、キーボードでの操作もスムーズにできるようになっています。今回は機能の紹介だけでなく、そのような細かい気配りの部分にも焦点を当てて紹介したいと思います。

タスクを作成する

TheDeadlineのタスクは2000文字以内で自由に記述できます。なお、タスク本文の1段落目は、管理画面で「サマリー表示」を選択した時に表示される「サマリー」となります。

タスクの入力例

タスク本文にはTwitterで言うところの「ハッシュタグ」(「#」のあとに英単語を記述)をつけることができます。ハッシュタグは管理画面に表示され、タスクを探す際の絞り込みに用いることができます。

また、ToDo管理ですのでタスクには締め切りも設定します。

締め切りの入力例

締め切りを入力しない場合は「SOMETIME」と設定され、「いつかやるタスク」として分類されます。

「@」記法でユーザーを招待してタスクを割り当てる

TheDeadlineで他の人にタスクを割り当てたい場合は、「@」に続けてメールアドレスを記述します。例えば次のように記述します。

資料の印刷 @sample@example.com よろしくお願いします。

このように記述すると、「sample@example.com」宛に自動的にメールが送信されます。相手がTheDeadlineにユーザー登録していなければ、アプリケーションの招待状が送られます。

ちなみに、メールアドレスを利用してタスクを他人に割り当てて、ユーザー登録されていなければ招待するという仕組みは、本連載の第3回で紹介した「IssueBurner」というサービスでも採り入れられていました。

Twitterライクな記法で使いやすく

TheDeadlineには、タスクにハッシュタグをつけて探しやすくしたり、「@」に続けてメールアドレスを記述することで他の人にタスクを割り当てたりするといった、Twitterライクな記法による機能が備わっています。

Webアプリケーションで「独自の記法」を実装することはよくあります。しかし、類似の機能にもかかわらずアプリケーションごとに書き方が違っていては、その都度覚えることが増えてしまいユーザーにとっては不便です。

その意味ではTheDeadlineのように、広く普及しているTwitterライクな記法を採用することは良いことです。すでにTwitterに慣れているユーザーにとっては学習負荷がひとつ下がることになり、初めてのアプリケーションでも抵抗なく使えるでしょう。

キーボード操作をスムーズに

またTheDeadlineでは、キーボードによる操作もスムーズにできるように設計されています。

例えば、タスクにハッシュタグを付ける際に「#」と打つと、過去に利用したことのあるハッシュタグの一覧が即座に表示されます。さらに、「#」に続いて「a」と打つとさらに候補が絞り込まれ、「#a」で始まるハッシュタグの一覧が表示されます。

この一覧表示された状態から上下のカーソルキーで候補を選択し、「Tab」キーを押すことで自動的にハッシュタグを補完入力することができます。

1文字打つたびにハッシュタグの候補が絞り込まれる

このように、キーボードから1文字入力されるたびにリアルタイムで候補を絞り込み、「Tab」キーで確定させるという入力方法は、様々なWebアプリケーションで利用されています。そのため、ネットサービスに慣れているユーザーの多くが直感的に操作できるでしょう。

この操作性はハッシュタグの入力時だけでなく、「@」を使ったメールアドレスの記述や、「&」を使ったグループの指定の際にも統一して採用されています。

イントロダクションムービーもしっかりと

TheDeadlineでは、ユーザー登録が完了すると、最初に操作説明用のイントロダクションムービーが表示されます。海外のWebアプリケーションでは数分間の動画で機能の紹介や使い方を説明しているケースが多々ありますが、日本ではまだそれほど多くありません。

イントロダクションムービーはYouTubeに置かれていますが、ユーザー登録前の画面からの導線はありません。どちらかというとユーザー登録前に「ツアー」として動画を視聴できることが理想だと思いますが、TheDeadlineの場合はトップページの説明画像でその役割を担っているので問題ないでしょう。

日本・海外問わず、世の中にあるWebアプリケーションには便利なツールがたくさんあります。それをただ使ってみるだけでなく、使いやすくするためにどのような工夫や仕掛けがされているかを注意深く見ていくことで、今まで気付かなかった発見があるものです。

もし他にも使えそうなテクニックを見つけたら、ぜひ自身で開発しているサービスにも採り入れてみてください。

著者紹介

F.Ko-Ji

ブログやネットサービスを運営するブロガー兼Webエンジニア。大手IT系企業、ベンチャー系Web開発企業を経てフリーに。『F.Ko-Jiの「一秒後は未来」』というブログや、「Meity」「DailyFeed」「梅酒.in」といったサービスを運営しています。