• 週刊こむぎ 第118回


長らくお付き合いいただきました「週刊こむぎ」も今回で最終回。ここまで読んでくださった皆様を、こねたものたちが般若心経の言葉を唱えて見送ります…

「般若心経」は大乗仏教の重要な思想である「空(第100回)」という考え方を短い文章でまとめたお経です。

物体も感覚も「全てのものは因果関係の中に現れていると感じられるものであり不変の実体はない」という「空」の真理を悟り、一切の苦悩から解き放たれた観音菩薩(観自在菩薩)がブッダの弟子であるシャーリプトラ(舎利子)にその教えを説くというストーリーで構成されています。

五蘊(色・受・想・行・識:物体や精神作用、読み:ごうん)をはじめ、さまざまな物事についてひとつひとつ「無い」とし、「有る(変化しない)」という思い込みや執着によって生まれる苦しみ(思いのままにならないこと)から解き放たれた境地がいかなるものであるかを説明していく。さまざまな解釈がありますが「存在の本質」についての解説というイメージです。

さて、こねたものたちが唱えている、般若心経の有名な最後のフレーズ「羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶」(ぎゃてい ぎゃてい はらぎゃてい はらそうぎゃてい ぼじそわか)ですが、これはサンスクリット語の呪文を音のまま漢字に当てはめたもので、読むことに意味があり、言葉の内容は重要ではないとされています。

あえて訳すなら「悟りを目指す者よ、幸あれ」といった内容で、真理を目指す人への励ましの言葉のようなものかもしれません。

「週刊こむぎ」も、こねたものたちが日々探求する仏教をはじめとした哲学(世界の見方、物事の考え方)に興味を持っていただくきっかけや、仕事や勉強に追われる日々の中で少しでも心が楽になったり、より良い一歩を踏み出せる「励まし」となりましたら幸いです。

疲れたらいつでもこむぎこ寺に戻ってきてくださいね。

幸あれ!

■こむぎこをこねたもの、とは?

  • 週刊こむぎ 第118回

■著者紹介

Jecy
イラストレーター。LINE Creators Marketにてオリジナルキャラクター「こむぎこをこねたもの」のLINEスタンプを発売し、人気を博す。その後、「こむぎこをこねたもの その2」、「こむぎこをこねたもの その3」、「こむぎこをこねたもの その4」をリリース。そのほか、メルヘン・ファンタジーから科学・哲学まで様々な題材を描き、個人サイトにて発表中。

「週刊こむぎ」は毎週水曜更新予定です。