前回で紹介したように、kintoneには多種多様なプラグインや連携サービスが用意されている。今回は「krewSheet」というプラグインを例に、プラグインを使用するときの具体的な操作手順を解説していこう。kintoneをExcelと同じような感覚で操作したい方は、プラグイン「krewSheet」の導入について検討してみるとよいだろう。
Excelのようにデータを編集できる「krewSheet」
前回は、kintone用のプラグイン・連携サービスを見つける方法、ならびにインストール手順について解説した。今回からプラグインを実際に使用するときの操作手順を紹介していこう。まずは、代表的なプラグインの一例として「krewSheet」の使い方を紹介する。
「krewSheet」は、データの閲覧・修正をはじめ、データの抽出・集計などを含む分析作業をExcelと同じような感覚で行えるプラグインだ。現場のスタッフがExcelに慣れているため、「kintoneに移行するのは……」といった不安を抱えている職場には、最適なプラグインといえるだろう。
もちろん、すでにkintoneを運用している場合であっても、便利なプラグインとして活躍してくれると思われる。データの操作性を大幅に向上し、自由度を高めてくれるプラグインになるため、さらに効率よくkintoneでデータを管理できるようになるはずだ。気になる方は、一度試してみるとよい。
アプリに「krewSheet」を追加する
前回は、kintoneにプラグインを追加(インストール)する手順までを解説した。ただし、この作業だけで即座にプラグインが使えるようになる訳ではない。プラグインを使用するには、「どのアプリでプラグインを使用するか?」を指定し、さらに「プラグインの設定」を済ませておく必要がある。
まずは、「どのアプリでプラグインを使用するか?」を指定する方法から解説していこう。この作業は、各アプリにプラグインを追加することにより指定する。ここでは「商品価格表」というアプリに「krewSheet」のプラグインを追加する場合を例に、具体的な操作手順を紹介していこう。
プラグインを追加するアプリを開き、「歯車」のアイコンをクリックする。この作業は「アプリの設定」を変更する操作になるため、「アプリの管理者」の権限を持つユーザーが行う必要がある。
アプリの設定画面が表示されるので、「設定」タブを選択し、「プラグイン」をクリックする。
プラグインの管理画面が表示される。最初は「プラグインは追加されていません」と表示されているはずだ。ここにプラグインを追加するときは、「追加する」のリンクをクリックする。
kintoneに追加されているプラグインが一覧表示されるので、現在のアプリに追加するプラグインを指定する。今回の例の場合、「krewSheet」のチェックボックスをONにしてから「追加」ボタンをクリックすればよい。
プラグインの管理画面に「krewSheet」が追加される。これを確認してから「アプリの設定に戻る」ボタンをクリックする。
アプリの設定画面に戻るので、「アプリを更新」ボタンをクリックして今回の変更内容を反映させる。
以上で、アプリにプラグインを追加する作業は完了だ。なお、今回は「krewSheet」を例に操作手順を紹介したが、他のプラグインの場合も基本的な操作手順は同じである。アプリにプラグインを追加するときの操作手順、として覚えておくとよいだろう。
「krewSheet」用の一覧を追加する
ここからは「krewSheet」ならではの準備作業について解説していこう。「krewSheet」はデータの一覧をカスタマイズしてくれるプラグインになるため、事前に「krewSheet用の一覧」を作成しておく必要がある。
「krewSheet」を使用するアプリを開き、「歯車」のアイコンをクリックする。
アプリの設定画面が表示される。今度は「新しい一覧」を作成するので、「一覧」タブを選択し、「+」のアイコンをクリックする。
「新しい一覧」の作成画面が表示されるので、適当な一覧名を指定する。この名前は各自の好きな名前で構わない。今回の例では「krewSheet」という名前を指定した。続いて、表示形式に「カスタマイズ」を選択し、「保存」ボタンをクリックする。
これで「krewSheet用の一覧」を作成することができた。「アプリを更新」ボタンをクリックしてアプリを更新する。
「krewSheet」の画面表示を設定する
続いては、「krewSheet用の一覧」に表示する項目(フィールド)を指定していこう。先ほど示した手順で「プラグインの管理画面」を再表示する。具体的には、以下のように操作すればよい。
(1)アプリを開き、「歯車」のアイコンをクリックする
(2)アプリの設定画面にある「プラグイン」をクリックする
続いて、プラグイン「krewSheet」の項目にある「歯車」アイコンをクリックする。
すると、シリアルナンバーを入力する画面が表示される。ここには「krewSheet」のお試し(または購入)を申請したときに伝えられたシリアルナンバーを入力すればよい。
ライセンスの確認が済むと、以下のような設定画面が表示される。ここでは、各フィールドをドラッグ&ドロップして、「krewSheet用の一覧」に表示するフィールド(列)を追加していく。
同様の手順を繰り返して「一覧に表示する列」をすべて指定できたら、「アプリを更新」をクリックする。
アプリが更新され、アプリに登録されているデータが「krewSheet用の一覧」で表示される。
以上で、準備作業は完了。使い始めるまでにいろいろと手間がかかるように感じたかもしれないが、この作業を行う必要があるのは“最初の1回”だけ。以降は、すぐに「krewSheet」を使える状態になる。特に難しい作業はないため、順を追って進めていけば、初心者の方でも十分に対応できるだろう。
Excelのようにデータを編集する
ということで、ここからがプラグイン「krewSheet」の基本機能の紹介となる。画面を見ると分かるように、Excelと同じようなイメージで「アプリに登録されているデータ」が表示されているのを確認できるだろう。
もちろん、データの編集方法なども基本的にExcelと同じである。例えば、登録されているデータを修正するときは、セルをクリックして選択し、修正後のデータを入力しなおせばよい。
オートフィルを使って、データをコピーしていくことも可能だ。この場合は、選択しているセルの右下にある「小さい四角形」を下方向へドラッグすればよい。
同様の作業をkintone本体で処理しようとすると、各データを個別に修正していく必要があり、それなりに手間のかかる作業になってしまう。このように複数のレコードを一括修正するときにも「krewSheet」が便利に活用できる。
データ(セル)が離れている場合は、置換機能を使ってデータを修正してもよい。「検索」をクリックして「置換」タブを選択すると、Excelの置換機能と同じような設定画面が表示される。この機能を使って、「黒」→「ブラック」などのデータ修正を行う方法ことも可能だ。あらかじめ、列(またはセル範囲)を選択しておくことで、範囲を限定した置換を実行することもできる。
なお、「krewSheet」でデータを修正すると、各レコードの左端に「鉛筆」のアイコンが表示される仕組みになっている。この表示は、まだデータの修正が反映されていないことを示している。データ修正を反映させるには「保存」をクリックする必要がある。
すると、「鉛筆」のアイコン表示が消去され、修正したデータを「現在のアプリ」に反映(保存)することができる。
言い換えると、「保存」をクリックするまでは「アプリのデータは更新されない」ということになる。修正結果を確認してからアプリに反映させる、という操作手順になるため、いろいろな機能を試してみやすいのも「krewSheet」の利点といえる。
もちろん、通常の一覧に戻してデータを表示することも可能だ。この場合は、一覧の表示方法に(すべて)などを選択すればよい。「krewSheet」で修正した内容がアプリに反映されていることを確認できるだろう。
このように「krewSheet」を導入すると、データの一覧をExcelと同じような感覚で扱えるようになる。各データの表示がコンパクトになるため、「画面に多くのデータを表示できる」というのも魅力の一つといえる。
ほかにも、レコードの絞り込み、条件付き書式の指定、Excel関数の活用、集計行の表示など、「krewSheet」には多くの機能が装備されている。これらの機能については、次回に詳しく紹介していこう。