Fessでは、利用者が行った検索に関する検索語、日時、回数、クリック数などといった情報の履歴を検索ログとして保存しています。検索ログ機能を効果的に活用することで、ユーザーの検索動向の把握やシステムのパフォーマンスを向上させる手段として利用できます。本記事では、Fessの検索ログ画面の操作方法やその機能に焦点を当てて解説します。

検索ログについて

Fessでは、検索した内容や表示された検索結果など、検索に関わる利用者の行動履歴を保存することができます。これらの情報は、fess_log.で始まるインデックスに格納されています。

収集される検索ログと保存されるインデックスは以下のようになります。

  • fess_log.user_info: 利用者情報
  • fess_log.search_log: 検索クエリーとその検索結果
  • fess_log.click_log: 検索結果内でクリックされたドキュメント情報
  • fess_log.favorite_log: 検索結果内でクリックされたお気に入り情報

これらの保存された内容は、Fessの管理画面で確認することができます。

また、検索ログを機械学習のデータとして分析や活用を考えている場合、これらのインデックスから情報を直接取得して使用することが可能です。

検索ログ生成

さっそく、Fessを使って確認してみましょう。

今回はFess 14.9.0を利用して説明します。

検索ログを生成する必要があるので、Fessをインストール後は、クロール設定を作成して、クローラーを実行してください。

検索操作を行うと、その内容はfess_log.search_logに保存されます。また、検索結果のドキュメントをクリックすると、その情報はfess_log.click_logに保存されます。ただし、これらのログは1分ごとに収集・保存されるため、検索直後にはまだログとして保存されていない点に注意してください。

お気に入りログの利用には、左メニューの「システム」>「全般」から「お気に入りログ」を有効にする必要があります。検索結果に表示される「☆」アイコンをクリックすることで、お気に入りとして保存できます。このアイコンが黄色になっていれば、お気に入りとして保存されたことを示します。

検索ログ画面

検索ログ画面を通じて、保存されたログの詳細や集計情報を確認することができます。

管理画面から、左メニューの「システム情報」>「検索ログ」を選択し、検索ログ画面を開きます。

この画面では、「ログ種別」や「時刻」などの条件を設定して、特定の検索履歴を絞り込んで表示することが可能です。

「ログ種別」については、以下で詳しく説明していきます。

検索ログ

「検索ログ」を選択して「検索」ボタンをクリックすると、 fess_log.search_log の内容が表示されます。このインデックスは、ユーザーが行った検索クエリに関する情報を記録しています。

一覧に表示された検索ログをクリックすると、ログの詳細を確認することができます。

クリックログ

「クリックログ」を選択して「検索」ボタンをクリックすると、 fess_log.click_log の内容が表示されます。このインデックスは、ユーザーが検索後に、どの検索結果をクリックしたかを記録しています。

一覧に表示された検索ログをクリックすると、ログの詳細を確認することができます。

ユーザーログ

「ユーザーログ」を選択して「検索」ボタンをクリックすると、 fess_log.user_info の内容が表示されます。このインデックスは、検索したユーザーのセッションIDを記録しています。

一覧に表示された検索ログをクリックすると、ログの詳細を確認することができます。

お気に入りログ

「お気に入りログ」を選択して「検索」ボタンをクリックすると、 fess_log.favorite_log の内容が表示されます。このインデックスは、ユーザーが検索結果を「お気に入り」として保存した際の情報を記録しています。

一覧に表示された検索ログをクリックすると、ログの詳細を確認することができます。

キーワード数

「キーワード数」を選択して「検索」ボタンをクリックすると、検索語に対して何回検索されているかの回数を確認することができます。

ゼロ件ヒット数

「ゼロ件ヒット数」を選択して「検索」ボタンをクリックすると、ユーザーが行った検索に対して検索結果がゼロ件だった場合(該当する結果が見つからなかった場合)の情報を確認することができます。ユーザーが求める情報が見つからないなどの状況を把握するのに役立ちます。

クリック数

「クリック数」を選択して「検索」ボタンをクリックすると、検索結果がクリックされたURLごとの、クリック回数を確認することができます。

お気に入り数

「お気に入り数」を選択して「検索」ボタンをクリックすると、お気に入り保存されたURLごとの、お気に入り件数を確認することができます。

検索数/時、検索数/日

「検索数/時」または「検索数/日」を選択して「検索」ボタンをクリックすると、1時間ごとに行われた検索の回数、または、日ごとに行われた検索の回数を確認することができます。特定の時間帯や特定の期間において、検索数が増加する傾向があるかなどを把握することができます。

ユーザー数/時、ユーザー数/日

「ユーザー数/時」または「ユーザー数/日」を選択して「検索」ボタンをクリックすると、検索を行ったユーザー数を1時間ごとに集計した数、または、検索を行ったユーザー数を日ごとに集計した数を確認することができます。

リクエスト平均時間/時、リクエスト平均時間/日

「リクエスト平均時間/時」または「リクエスト平均時間/日」を選択して「検索」ボタンをクリックすると、検索リクエストの処理時間の1時間ごとの平均値、または、検索リクエストの処理時間の日ごとの平均値を確認することができます。この結果を分析することで、検索リクエストの処理時間が遅くなっている時間帯はないかなどを確認することができます。

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検索ログは、利用者の動向を理解するだけでなく、サービスやコンテンツの改善、さらには機械学習のデータとしての活用にも大きな価値があります。これらの情報を基に、よりユーザーにとって価値ある検索エンジンの運用が可能です。

Fessでは、検索ログを機械学習で活用できるように必要な情報を一通り保存するようにしています。分析や機械学習を活用した検索品質の向上のために、検索ログの利用を検討してみてください。