Chromeの起動時(または新しいタブを開いたとき)に表示される「ホーム画面」をカスタマイズできる拡張機能も提供されている。今回は、その中でも手軽に導入できる「Momentum」と「無限ダッシュボード」の機能や使い方などを比較・検証していこう。
ホーム画面(ダッシュボード)とは?
ここでいう「ホーム画面」とは、Chromeを起動した直後、もしくは「新しいタブ」を開いたときに表示される画面のことだ。特に設定を変更していない場合、以下の図のようなホーム画面が表示されるはずだ。
この画面の背景を写真にして、各種情報やタスク管理(Todoリスト)、リンクなどを自由に追加できる拡張機能が「Momentum」ならびに「無限ダッシュボード」となる。シンプルで味気なかったホーム画面を“趣のある画面”にカスタマイズし、さらにタスク管理などを追加してくれる拡張機能、と考えると理解しやすいだろう。
「Chrome ウェブストア」には似たような拡張機能がいくつか提供されているが、今回は上記に示した2つの拡張機能を比較・検証しみよう。
「Momentum」の追加と地域設定
まずは、拡張機能「Momentum」の使い方から紹介していこう。「Momentum」の特徴は“癒し”のある写真を日替わりで表示してくれること。毎日、写真が変化していくため、少しだけ新鮮な気持ちでChromeを使い始められるようになる。
もちろん、使い勝手を向上させるための機能も用意されている。時刻や天気の表示、“やるべきこと”を手軽にメモできるタスク管理、よく使うWebサイトへのリンクなどを各自で自由に設定することが可能だ。
Chromeに拡張機能を追加する手順はいつもと同じ。「Momentum」の紹介ページを開き、右上に表示されている「Chromeに追加」をクリックすればよい。その後、「拡張機能を追加」ボタンをクリックすると、拡張機能のインストールは完了となる。
Chromeに「Momentum」を追加すると「新しいタブ」が自動的に作成され、以下の図のような画面が表示される。ここで「そのままにする」ボタンをクリックすると、ホーム画面を「Momentum」の画面に変更できる。
なお、左下に表示される「Welcome to Momentum!」(拡張機能の概要紹介)は、内容を確認した後に閉じてしまって構わない。
状況によっては、「Momentum」を追加した直後に「名前を尋ねる画面」が表示される場合もある。この場合は、自分の名前(またはニックネームなど)を入力して「Continue」ボタンをクリックすればよい。
続いて、メールアドレスの入力を求められるが、こちらは任意なので入力しなくても構わない。メールアドレスを登録しない場合は、右上にある「Stay logged out」ボタンをクリックすればよい。これで「Momentum」のホーム画面が表示されるようになる。
「Momentum」のホーム画面が表示されたら、最初に「天気情報」の設定を確認しておこう。右上に表示されている「天気」のアイコンをクリックすると、天気情報がポップアップ表示される。
この画面にある「鉛筆」のアイコンをクリックすると、地域(都市名)を自由に変更できる。たいていの場合、適切な地域が自動設定されているが、もしも異なる地域が設定されていた場合は、自分で設定を変更しておく必要がある。
本日の目標とタスク管理
ここからは「Momentum」の具体的な活用方法を紹介していこう。まずは、タスク(Todo、備忘録)を管理する方法だ。
画面の中央にある「What is your main goal for today?」と表示されている部分は、“本日の目標”を入力するための領域だ。ここに重要事項をメモしておけば、Chromeを起動するたびに、その内容を思い出せるようになる。
それ以外の細かなタスク(やるべきこと)を管理するための機能も用意されている。画面の右下にある「Tasks」をクリックし、「New Task」ボタンをクリックする。
すると、以下の図のような画面に切り替わり、タスクを文章で入力できるようになる。
ここに登録した内容は「Tasks」を再クリックすると確認できる。それぞれのタスクはチェックボックス形式で表示されるため、“終了済みの作業”と“まだ完了していない作業”を一目で見分けられるようになっている。
ちなみに、それぞれのタスクは「Inbox」、「Today」、「Done」の3つに分類して管理することが可能となっている。これらの表示は、以下の図に示したアイコンをクリックすると切り替えられる。
登録したタスクを別の分類に移動することも可能だ。この場合は、各タスクの右端に表示される「…」をクリックし、「Move to (移動先)」を選択すればよい。
今日中にすべき作業は「Today」、近日中にすべき作業は「Inbox」という具合にタスクを分類しておくとよいだろう。なお、「Done」には“チェック済みのタスク”が自動分類される仕組みになっている。
よく使うWebサイトへのリンク
Chromeのホーム画面は「よく使うWebサイトへのリンク集」としての役割も担っている。続いては、「Momentum」のホーム画面にリンクを登録する方法を紹介していこう。画面の左上にある「Links」のアイコンをクリックし、「+」をクリックする。
すると、以下の図のような画面が表示され、新しいリンクを登録できるようになる。ここでは、「TITLE」に表示名、「LINKS」にURLを入力すればよい。続いて、「PIN TO DASHBOARD」をONしてから「Add」ボタンをクリックする。
上記に示した手順でリンクを登録すると、そのリンクは常にホーム画面に表示されるようになる。もちろん、これらのリンクをクリックしてリンク先のページへ移動することも可能だ。
「PIN TO DASHBOARD」をOFFにした状態で登録したリンクは、「Links」のアイコンに格納される仕組みになっている。これらのリンクは、「Links」アイコンをクリックするとポップアップ表示できる。なお、この中にある「Chrome Tab」のリンクは、ホーム画面を一時的に「Chrome標準のホーム画面」へ切り替えるためのリンクとなる。
このように「よく使うWebサイトへのリンク」も自由に設定できるため、ホーム画面を「Momentum」に切り替えても利便性が損なわれることはない。
集中モード(Focus)の活用
「Links」の右隣にある「Focus」のアイコンは、画面表示を“集中モード”に切り替える役割を担っている。このアイコンをクリックすると、以下に示したような画面表示になり、タイマーが25分からカウントダウンされていく。
こちらは「一定の時間だけ集中して作業したい」といった場合に活用できる機能となる。作業に集中するための環境音として、「波の音」や「たき火のパチパチ音」などを再生する機能も用意されている。
さらに“集中モード”の間は、SNS(Facebook、Instagram、X、……)や動画配信サイト(YouTube、Netflix、……)などへアクセスできなくなる「ブロック機能」も用意されている。ただし、この機能を有効にするには、以下の図に示した部分をクリックして「Momentum」がブラウザを制御できるように権限を許可しておく必要がある。
もちろん、25分に初期設定されているタイマーの時間を変更することも可能だ。この場合は、タイマー表示の上にマウスを移動し、「…」のアイコンをクリックして設定を変更すればよい。
このように、「邪念に捕らわれることなく作業に集中できる環境」を作り出してくれる機能が“集中モード”となる。これで作業が順調に進めばよいが、実際には“各自の意志の強さ”に左右される部分が大きいと思われる。
というのも、画面上部にある「停止」ボタンをクリックすれば、いつでも“集中モード”を解除できるからだ。“集中モード”を解除すると通常のホーム画面(Momentumのホーム画面)に戻り、どのWebサイトにも自由にアクセスできるようになる。つまり、本当に集中できるかどうかは自分次第という訳だ。
「Momentum」の各種設定
最後に、「Momentum」の各種設定について補足しておこう。「Momentum」の設定画面は、左下にある「歯車」のアイコンをクリックすると表示できる。この設定画面で各項目の表示/非表示を切り替えることが可能だ。たとえば「Search」の項目をONにすると、ホーム画面に「検索欄」が追加され、Web検索(Googleなどの検索エンジンを使った検索)を即座に行えるようになる。
参考までに「Bookmarks」、「Search」、「Mantras」をONにした場合の表示例を紹介しておこう(これらの項目はOFFに初期設定されている)。
・Bookmarks ……… Chromeの「ブックマークバー」を表示
・Search ………… ホーム画面に「検索欄」を表示
・Mantras ………… 時計の下にマントラ(真言)を表示
なお、設定画面に「Plus」のアイコンが表示されている項目は、有料版のPlusにアップグレードしたユーザーだけが使用できる機能となる。Plusの料金は3.33ドル/月(執筆時の料金)。もっと積極的に「Momentum」を使いたい方は、Plusへのアップグレードも検討してみるとよいだろう。
ということで、今回は拡張機能「Momentum」の使い方を紹介した。次回は、同じような機能を持つ拡張機能「無限ダッシュボード」の使い方を「Momentum」と比較しながら紹介していこう。