この半導体ニュースのまとめ
・STが加速度センサとジャイロセンサを統合した車載用複合型センサ4製品を発表
・エアバッグや横転検知、車両安定性制御、レーダー・ビーム安定化などに対応
・NXPのMEMSセンサ事業統合後初の量販市場向け製品で、最低15年間の供給を保証
STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は、多軸加速度センサとジャイロセンサを単一パッケージへ集積した車載用複合型セーフティ・センサ4製品を発表した。
高級車から量販車まで幅広い車種への搭載を想定し、衝突時の乗員保護、横転検知、エアバッグ展開といったパッシブ・セーフティから、車両安定性制御やレーダー・ビームの安定化などのアクティブ・セーフティまで対応する。
NXPのMEMSセンサ事業統合後初の量販製品
今回発表した4製品は、STが2026年初頭にNXPの車載・産業用MEMSセンサ事業を買収して以降、量販市場へ投入する初の製品となる。
複数の安全機能に対応する共通のセンサ・プラットフォームを採用することで、自動車メーカーや車載機器メーカーによるシステム設計の簡略化や開発期間の短縮を支援。車種やグレードに応じて機能や性能を拡張できるようにする。
また、STは新製品について最低15年間の供給を保証し、製品ライフサイクル中の部品変更や再設計に伴うリスクを抑えるとしている。
測定軸と加速度範囲が異なる4品種を展開
今回発表された製品は以下の4品種となる。
「NCS1012BAEP」は、Z軸方向の回転であるヨーを測定する角速度センサと、XY軸の2軸低g加速度センサを搭載する。
「NCS1012CAEP」は、X軸方向の回転であるロールを測定する角速度センサと、YZ軸の2軸低g加速度センサを搭載する。
「NCS1012EAEP」は、X軸の角速度センサと、XY軸の2軸中g加速度センサを搭載する。
「NCS10135AEP」は、Z軸の角速度センサと、XYZ軸の3軸低g加速度センサを搭載する。
測定軸と加速度範囲の異なる製品をそろえ、衝突や横転の検知から、車両姿勢や走行状態の把握まで、用途に応じたセンサ構成を選択できるようにした。
ISO 26262とSafeSPIに対応
4製品はいずれもISO 26262に準拠し、内部診断機能を備える。車載安全用途向けのシリアル・ペリフェラル・インタフェース「SafeSPI」にも対応し、加速度センサとジャイロセンサのデータを個別にモニタリングできる。
ジャイロセンサの最大測定範囲は±125dps、±250dps、±350dpsから選択可能。低g加速度センサは±1.50~±34g、中g加速度センサは±15.5~±150gに対応する。
動作温度範囲は-40~+105℃で、温度変化に対する低オフセットと低ドリフトを実現。ローパス・フィルタを内蔵するほか、高速起動に対応する一次ハイパス・フィルタもオプションで利用できる。
調査会社Omdiaは、ADAS向け慣性測定ユニット(IMU)市場が2025~2030年に年平均成長率17.7%で拡大すると予測している。自動運転機能の高度化に伴い、車体の加速度や回転、姿勢変化を把握するMEMSセンサの採用拡大が見込まれる。
6mm角パッケージで量産中
4製品は、6mm×6mm×1.90mmの24ピンQFNパッケージで提供される。
パッケージには、はんだ接合部を側面から確認できるウェッタブル・フランク構造を採用し、自動車業界で求められる光学検査への適合要件を満たす。
4品種とも量産中で、サンプルと価格についてはSTのセールス・オフィスまたは販売代理店を通じて提供する。
STは、衝突安全からADASまで対応する複合型センサを量販市場へ投入し、幅広い車種への車載安全機能の普及を支援するとしている。