JX金属は10月9日、グループ会社のタツタ電線が、AIデータセンター向けなどに使用される漏水検知システムの生産能力を増強すると発表した。京都工場(京都府福知山市)で段階的に設備投資を進め、2027年9月までに生産能力を2026年末比で約2.5倍へ引き上げる予定だ。
同製品は、タツタ電線のセンサ事業で展開する漏水検知システム。営業・研究開発はタツタテクニカルセンター(京都府木津川市)が担い、生産は京都工場で行っている。
AIデータセンターの液冷化で漏水対策需要が拡大
近年は生成AIの普及やデジタル化の進展を背景に、AIデータセンターの建設が世界的に拡大している。AIデータセンターでは高性能GPUを多数搭載したサーバーの稼働により発熱量が増加しており、従来の空冷方式だけでは十分な冷却が難しいケースが増えている。
このため、データセンター設備やサーバで液冷技術の導入が進んでいる。一方で、水冷設備の利用拡大に伴い、施設内における漏水リスクへの対策が重要になっており、漏水を早期に検知するシステムへの需要が急速に高まっているという。
2027年9月までに生産能力を約2.5倍へ - AIデータセンター向け製品群を強化
タツタ電線は2026年8月にも漏水検知システムの生産能力増強を発表していた。しかし、その後も需要が想定を上回るペースで拡大していることから、安定供給体制をさらに強化するため追加の能力増強を決定した。
今回の投資により、京都工場における生産能力は2027年9月までに2026年末比で約2.5倍となる見込みだ。さらに今後の追加投資についても検討しているという。
JX金属グループは、半導体用スパッタリングターゲットやインジウムリン基板に加え、漏水検知システムなどもAIデータセンター市場向け製品として展開している。今後も市場や顧客ニーズの変化に対応しながら、高付加価値製品への投資を継続する方針だ。
