トヨタ自動車グループのウーブン・バイ・トヨタ(WbyT)は9月25日、静岡県裾野市で開発を進める実証都市「Toyota Woven City」がオフィシャルローンチから1年を迎えたと発表した。現在、住民を対象とした実証実験は累計約30件に達しており、発明家(Inventors)と住民(Weavers)が協力して新たな製品やサービスの開発を進めているという。
約30件の実証が進行、AI Vision Engineも機能強化へ
Woven Cityは、企業や研究機関などが持つ技術や知見を掛け合わせることで新たな価値創出を目指す「実証実験の街」として運営されている。2026年9月時点で、裾野市および周辺地域の住民を含む約80世帯160人程度が居住している。
実証例として、WbyTが開発する「Integrated ANZEN System」は、Woven City内での検証に加え、静岡県との連携協定に基づき県内公用車での実証を予定。データ収集の範囲を市域外へ広げる。
また、AIロボット協会(AIRoA)は家庭用ロボットによる生活支援サービスを11世帯で運用し、累計1000件以上のタスク実行を通じて検証を進めている。さらにUCCジャパンは、300件超の実証参加者の行動データを分析し、コーヒーと集中力の関係性などを調べている。
加えて、WbyTは映像解析基盤「Woven City AI Vision Engine」の新版「Woven City AI Vision Engine 2.0」を2026年内に公開する予定だ。実世界で発生した事象の言語化に加え、その要因を推論する機能や、人やモビリティの特定行動を検知する機能を追加する。複数のベンチマークにおいて世界トップレベルの評価を獲得したとしている。
新たに7社が参画、Phase 2建設と一般見学も開始
実証の担い手となるInventorsには、新たに中部電力ミライズ、ダイハツ工業、日立建機の3社が参加。アクセラレータープログラム「Toyota Woven City Challenge - Hack the Mobility -」の受賞企業4社を加え、参画組織は31に拡大した。
各社は、需要応答(デマンドレスポンス)による電力活用、マイクログリッドを活用したモビリティ・エネルギー連携、次世代建設現場の再現など、それぞれのテーマで実証を進める。
施設拡張に向けては、第2期エリア(Phase 2)の造成工事を終え、2026年9月から建築工事を開始した。2028年11月の竣工を予定しており、約600人が居住できる規模となる見込み。将来的には街全体で約2000人が暮らす計画だ。
また、10月1日からは一般向けの見学受け入れも開始する。これまで静岡県民を対象としていた訪問プログラムを全国へ拡大し、専用サイトで予約受付を始める。なお、2025年実施の住民募集には1000件を超える応募が集まったという。

