トリファ代表取締役・嘉名雅俊が語る「海外eSIMを切り口に「旅のインフラ」を目指して」

インバウンドで盛り上がりを見せる旅行業界。様々な国々の人々に日本を知ってもらう貴重な機会であることは間違いありません。しかし、同時に大切なことがあります。それがアウトバウンド。つまり、日本人による海外旅行者数の増加です。しかし、2025年の日本人出国者数は約1473万人と19年比で27%減という状況です。

 今夏のお盆でも円安やインフレ基調が重荷となり、海外旅行を控えて国内旅行を選ぶ傾向が強まりました。旅行代金が上がる中でも、もっと海外旅行のハードルを下げなければなりません。政府も約18%にとどまるパスポートの保有率を上げるため、パスポート申請手数料の大幅な引き下げを行っています。

 その中で民間企業として何ができるか。その1つがスマートフォンを使って、いかに海外旅行中のネット接続を便利にするかというテーマです。ネット接続は、もはや「旅のインフラ」なのです。近年はモバイルWi︱Fiのレンタルや現地SIMカードの購入などがありますが、新たに注目されているのが「海外eSIM(イーシム)」です。

 このeSIMとはスマホにあらかじめ内蔵された「仮想SIM(通信回線を利用可能にするチップ)」を指し、従来のスマホに挿し込んでいた小さな物理的なSIMカードを用いることなく、端末に直接組み込まれたSIMカードに情報を登録すれば、別の回線にすぐに切り替えられるというものです。海外旅行の際に海外eSIMと契約すれば、現地でネット接続ができます。

 しかし、そこにはいくつかのハードルがあります。そもそも「自分のスマホがeSIMに対応しているのか?」「そもそもeSIMの存在を知らない」といった事実がある上に、先ほど申し上げたように海外でも使えるモバイルWi︱Fiをレンタルするか、大手通信キャリアのローミング(自分の契約している携帯会社のエリア外で他社の回線を借りて通信する仕組み)のサービスを使うか、現地SIMカードを購入するかといった、ひと手間が必要になります。

 こういった海外旅行にまつわる課題がある中で、20年創業の当社はアプリ上でeSIMを購入するだけで、世界200の国と地域で通信が使える海外eSIMアプリ「トリファ」を展開しています。海外でネット環境を利用するために必要な設定がアプリ上で完結できるのです。

 さらにトリファには空港ラウンジの予約や海外旅行保険、入国手続きのサポートなど幅広い機能が追加されています。eSIMは海外旅行をするためのサービスの入口に過ぎません。1つの機能や領域に絞られず、海外旅行全般の体験や価値を向上させることが、日本人が海外に出ていく一助になると思います。

 お陰様でトリファの累計ダウンロード数は200万を突破し、ユーザー数は拡大しています。私自身、海外に行くときにレンタルWi︱Fiを持参したり、海外用のSIMカードを事前に買ったりしていて不便を感じていました。そんな折、国内でeSIM対応のスマホや通信サービスが登場してきたのです。これらの動きを見て、eSIMと海外旅行を組み合わせることで、スマホ1つで簡単に海外に行けるようになると感じました。

 大学生のときに1年ほどベトナムに行き、現地でオフショア開発を手掛ける会社でインターンを行いました。やはり海外で経験し、海外から日本を見ることで様々な価値観が養われたと感じます。こういった経験を1人でも多くの日本人に感じてもらいたいと思っています。

【 著者に聞く 】『マネジャーのための時間管理術で最高のチームをつくる方法』リンクアンドモチベーション常務執行役員・川内正直