アイティフォーとソーシング・ブラザーズは7月23日、都内で合弁会社「アイティフォー・グロースキャピタル」に関する説明会を開催した。同社は、両社が6月に基本合意を発表し、7月に設立し、合弁会社の出資比率はアイティフォーが90%、ソーシング・ブラザーズが10%となる。
アイティフォーが掲げる「HIGH FIVE 2033」とソーシング・ブラザーズの成長支援
アイティフォーは1972年創業の東証プライム上場企業。独立系SIerとして、金融機関や自治体、小売業などに業務システムや決済基盤を提供している。直近の2026年3月期の通期連結決算では、売上高が前期比12.4%増の231億100万円、営業利益が同9.2%増の38億5800万円となっている。
アイティフォー 代表取締役会長兼アイティフォー・グロースキャピタル 代表取締役社長の佐藤恒徳氏は「当社の事業は地方の銀行や自治体、百貨店などに支えられており、強みでもある」と話す。
10年後の長期ビジョンとして「HIGH FIVE 2033」に取り組んでおり、“地域還流ビジネス”として「地域内で経済が回る事業の実現を通じて人々の豊かな時間を創出」を掲げ、2033年に売上高700億円、営業利益126億円を計画している。
一方、ソーシング・ブラザーズは2019年に設立し、従業員数は約90人。大企業とスタートアップの連携を支援するイノベーションプラットフォーム企業。CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)運営支援やオープンイノベーション支援のほか、スタートアップに特化したM&Aアドバイザリーを通じて企業の非連続な成長(インオーガニックグロース)を支援している。
ソーシング・ブラザーズ 代表取締役の渡邊祥太郎氏は「日本企業は自前主義でやってきた結果、キャッシュ、資産、人材はあるものの、ITやAIの登場により企業の成長は変化を求められる時期に入っている。そのため、外部を活用した成長に特化したインオーガニックグロースの支援を行っている」と説明した。
アイティフォー・グロースキャピタル、M&A・CVCで新規事業240億円へ
両社の取り組みは2024年10月にさかのぼり、ソーシング・ブラザーズが支援する形でアイティフォーがCVCプロジェクトを開始し、2025年6月からはM&Aプロジェクトをサポート。こうした背景もあり、今回の合弁会社の設立に至ったというわけだ。
佐藤氏は「複数企業を比較検討した結果、ソーシング・ブラザーズの提案は単なる助言やCVC投資先の紹介にとどまらず、事業の深部まで踏み込む内容だった。実績はこれからの若い会社ではあるが、同じ船に乗るパートナーとして、戦略から国内外の事業開発まで共同で取り組めると判断した」と述べた。
アイティフォー・グロースキャピタルの主な事業領域はM&A、CVC投資、事業開発の3つだ。HHIGH FIVE 2033で掲げる売上高700億円の達成に向け、新規事業の中核として240億円規模の売上高を計画している。
M&Aはその中核として本格的に取り組み、CVC投資ではすでに6社への投資実績があり、投資リターンだけでなく、地方の課題解決につながる事業シナジーを重視する。事業開発では、M&A先やCVC投資先との連携を通じて、自社の成長を図るとともに、買収後の統合プロセスであるPMI(Post Merger Integration)も担う。
佐藤氏は「将来的にはM&AやCVCのノウハウをグループ内に定着させていく。また、地方銀行のキャピタル会社と連携し、東京と地方をつなぐ役割を担うと同時に、後継者不足に悩む地方の優良企業への投資・事業承継を支援し、プラットフォーマーを目指す」と展望を語っていた。






