日立ソリューションズ西日本は7月1日より、製造業向けAI類似図面検索システム「Hi-PerBT 図面検索AI」の最新版の提供を開始する。事前学習が不要で形状検索に適したAIエンジンと、AI-OCR技術によって検索精度を高めたほか、AI画像認識による自動補正で図面比較の精度も強化したという。これにより図面データの活用を促進し、業務効率化と製品品質の向上に貢献するとしている。
最新バージョンでは高精度の識別が可能に。テキストの認識制度も向上
製造業では、顧客ニーズの多様化に伴う製品の高度化・複雑化に加え、人材不足や熟練者の退職による技術継承が課題となっており、過去の設計資産を効率的に検索・比較・再利用することの重要性が高まっているとされる。一方で、膨大な図面が蓄積されているものの、類似図面の検索に時間がかかる、必要な図面が見つからず同じようなものを再設計してしまうなど、十分に活用しきれていない状況があるという。
こうした課題に対し、同社は2020年から、図面の特徴をAIに学習させ、形状と文字情報から類似図面を探し出せる「Hi-PerBT 図面検索AI」を提供してきた。今回、新たなAIエンジンを搭載し、検索機能と比較機能を強化した最新版を開発したとしている。
最新版では、形状特徴の識別に適した新たなAIエンジンを搭載し、図面の軽微な形状差異を高精度で識別できるようにした。さらに、Microsoft AzureのAIサービスを活用したOCR技術との連携により、従来認識が難しかったCAD特有のフォントや手書き文字にも対応し、テキスト認識精度を高めて検索漏れを防止するという。
比較機能では、AI画像認識技術の採用により、図面の傾きや位置、縮尺のズレを自動で検出・補正し、改訂前後の図面の差異を正確に抽出する。レイアウト変更による誤検出を抑え、実際の変更箇所のみを高精度に可視化することで、設計変更時の確認工数を削減し、修正箇所の見落とし防止に寄与するとしている。
さらに、事前学習済みのAIエンジンにより、これまで必要だった図面データごとの個別学習が不要となった。これにより、導入前の準備期間を従来比で約2~3週間短縮するとともに、学習用図面データの事前提供も不要になるという。図面管理システム「Hi-PerBT Advanced 図面管理」との連携にも対応し、登録された属性情報と合わせた複合的な検索が可能になるとしている。
同社は今後も、製造業のDX推進を支援するため、「Hi-PerBT 図面検索AI」を含むPLMソリューションの機能強化を継続していくとしている。なお最新版は、7月1日から7月3日まで東京ビッグサイトで開催される「ものづくりワールド東京」に出展される。
編集部メモ
「Hi-PerBT Advanced 図面管理」は、日立ソリューションズ西日本が提供する製造業向け図面管理システム。「Hi-PerBT 図面検索AI」は、「Hi-PerBT Advanced 図面管理」や他の図面管理ソフトウェア、あるいはWindowsの共有フォルダ―などに保管・管理されている図面を、AIにより高速に検索する拡張ソリューションということになる。「Hi-PerBT Advanced 図面管理」が連携できる外部システムはWebサイトなどでは明記されておらず、API連携/ファイル連携などの形態に応じて個別カスタマイズなどでの接続可否確認を行う必要がある。

