
生産者と生活者をつなぐ
アイリスオーヤマがグループ会社のアイリスアグリイノベーションを通じて、農業に参入する。農地リース方式で農地を借り受け、グループ従業員が農業の担い手となることで、農家の高齢化や担い手不足の課題を解決することが狙いだ。
宮城県に本社を構える同社は東日本大震災からの復興を目的に、2013年から精米事業に参入。14年には宮城県亘理町精米工場を、22年には福島県南相馬市にパックごはん用のトレーやフィルムの製造工場を建設するなど、農家からの米の買い取りを通じて、パックご飯の販売を行ってきた。
今回は震災から15年の節目を迎えたことで、農業そのものへ参入を決断。これまで同様、提携先の農家への営農支援は継続しながら、収穫したお米はパックごはんとして国内向けに販売する予定だ。
まずは22ヘクタールの農地からスタート。5年後には200ヘクタール、長期的には1000ヘクタールまで拡大したい考えで、将来的にはパックご飯を輸出することも視野に入れる。同社関係者は「食品事業の供給体制を強化し、生産者と生活者の双方をつなぐ役割を果たしていく」と話している。
”令和の米騒動”から約1年、農林水産省によると、今年5月4日~10日のスーパーのコメの平均販売価格(税込)は、5キログラムあたりで前週より54円安い3742円だった。昨年9月以降は4000円台で推移していたものの、今年1月以降は再び下落基調となっている。
言うまでもなく、日本のコメづくりは岐路に立たされている。生産者の高齢化が進み、担い手不足が一層深刻化している。そうした状況下、日本の主食である米をどう確保していくか。アイリスオーヤマの新たな挑戦が始まった。