It's F.O.S.S.は2026年5月19日(現地時間)、「Wow! Microsoft Now Has a Fedora-based Linux Distro」において、5月18日から20日にかけて開催された「Open Source Summit North America」の注目される発表内容を伝えた。
このサミットではKubernetesオープンソースプロジェクト共同創設者兼Microsoftの技術フェロー/Azureクラウドネイティブ担当コーポレートバイスプレジデントを務めるBrendan Burns氏が基調講演を行った。この講演の中で同氏は新しいLinuxディストリビューションのリリースおよびエージェント型AIツールなどを発表したという。
Microsoftが新Linuxディストリビューションを発表
Burns氏の発表の中でもっとも注目を集めたのが新しいLinuxディストリビューション「Azure Linux 4.0」および「Azure Container Linux」のリリースだ。Windowsを手掛けるMicrosoftが、本格的な汎用Linuxディストリビューションを展開する点は注目を集めそうだ。
同氏は開発の動機として、クラウドサービス上のワークロードの実行にあたって、開発者がオペレーティングシステムの選定を意識するべきではないとの考えがあったと明らかにしている。この目的達成のため、デフォルトで安全かつ一貫性があり、開発の妨げにならない環境として、無償のAzure Linux 4.0を設計したという。
また、Azure Container Linuxを組み合わせることで、企業および開発者はクラウドネイティブおよびAIワークロード向けに特別に設計された、堅牢なLinuxディストリビューションを利用できると説明している。
It's F.O.S.S.によると、発表において同氏は開発ベースとなるディストリビューションの存在を明らかにしなかったという。しかしながら、公式リポジトリ「GitHub - microsoft/azurelinux: General purpose Linux OS for Azure · GitHub」を確認すると、Fedoraベースで開発されたことが公開されている。FedoraはRed Hat系ディストリビューションの開発基盤として知られる。
この行動の理由は、FedoraがRedhatの支援によって運営されているプロジェクトであること、さらにRedhatが協力企業かつ競合企業という複雑な事情が絡み合った結果と予想されている。なお、設計当初はディストリビューションを完全にフォークする話も持ち上がったが、Fedoraエコシステム内で活動するように促され、これを受け入れたとされる。
Azure Linux(旧CBL-Mariner)との違い
今回発表された「Azure Linux 4.0」はそのバージョン番号が示すとおり、その前のバージョンが存在する。Azure Linux(旧CBL-Mariner)と呼ばれていた製品で、ソースコードも公開されている。
そのため新しくないとの指摘も当然だが、従来のバージョンとは次の明確な違いがある。
- Fedoraをベースとして採用
- 完全な汎用Linuxディストリビューションとしては初リリース
- コンテナホストとしてAzure Container Linux(ACL)の製品化
前身はAzure Kubernetes Service(AKS)を通じてのみ利用できたが、これを汎用化した点が大きく異なる。ただし、Burns氏は「Azureインフラストラクチャ向けに最適化されている」と述べており、汎用Linuxとしてどこまで利用できるかは定かでない。
リリーススケジュール
Burns氏の基調講演の内容や、「Azure Linux 4.0」および「Azure Container Linux」の詳細は公式ブログ「From open source to agentic systems: Microsoft at Open Source Summit North America 2026 | Microsoft Open Source Blog」から確認できる。
Microsoftは手始めに、Azure仮想マシン上でAzure Linux 4.0のパブリックプレビューを開始する。その後、6月2日に開催予定の「Microsoft Build」から本格展開をはじめ、同時にコンテナ向けイミュータブルオペレーティングシステムのAzure Container Linuxの一般提供を開始する予定だ。
現在は早期アクセスを募集しており、興味のあるユーザーは「Azure Linux 4.0 Availability Notification」から登録できる。
