
わたしは日本独自のスナック文化を世界へ発信すべく、オンラインスナックや外国人向けツアーなど、スナックの新しいエンターテインメントを創出しています。みなさん、スナックにどんなイメージを持たれていますか? それぞれ持つイメージがあると思いますが、実はいま、スナック業界は大きく転換期を迎えています。
20年前までは、いわゆる暗い店内で男性が煙草をすぱすぱ吸いながらお酒を飲む場所だというイメージが強かったと思います。それがコロナ禍2020年以降、ママの特技や趣味をお店の特色として打ち出しているところが増えています。趣味ではアニメ、ゴルフ、スポーツなど、そのジャンルの話が得意なスナックや、外国人が行けるスナック、婚活スナックなど本当に多様化しています。
混沌とした時代、人々はSNSではなく、リアルで弱音を吐ける場所を探しています。経営者も若い世代も、女性も、誰にも言えないけどママになら言えるという環境を求めて、それぞれの心情を吐露する場所として、社会的に重要な役割を担う場所になっているのです。
最近では、こうしたムーヴメントを背景に、企業からの問い合わせも増えています。東京商工会議所の経営者の方々や、アルコールメーカー、まちづくりの観点で不動産会社の社長たちなど、さまざまな企業トップからお呼びがかかり、ナイトタイムエコノミーの盛り上がりについて話をする機会が増えました。
例えば『ぱりんこ』『雪の宿』でお馴染みの三幸製菓さんと、新橋のママたちと一緒におつまみの商品開発をさせていただきました。各業界で、人の奥底にある潜在ニーズが眠る場所として、またコミュニティの場としてのスナックの可能性に。強い関心を寄せていただいています。
富裕層のインバウンドの方々も、外国人がいない場所で〝日本人と話せる場所〟を探し求めています。そういったニーズを拾い、外国人向けスナックツアーや、ホテル宿泊ツアーに会員制スナックの入店体験を組み込んで以降、有難いことに当初の23倍の予約をいただいています。
もう1つ、企業に出張する〝出張スナック〟の予約が急増しています。ママと社長が一緒にお酒をつくってカウンターに立ち、社員がお客さんとなって普段しない話をする、そんな光景が生まれています。会社では上司からお酒に誘いづらいご時世ですが、社内イベントとしてならハードルも下がり、皆が気軽に参加しています。先日JR西日本さんで実施した時には30名の予約が最終的に80名に膨れ上がるまでに。3つお店を作り、スナックハシゴを楽しんでもらいました。
わたし自身、前職の楽天トラベル時代に全国のスナックを巡り、スナックのママには大変お世話になりました。営業で全国を周っている中で、ここまでしなくても良いのにということを自然としてくれる親切なママがたくさんいました。何度も助けられ、スナックは地域社会を支える大切な場所だと感じました。
コロナ禍で全国のスナック経営が厳しくなったとき、今度はわたしがママたちを助ける番だと思って、このオンラインスナック横丁を立ち上げました。海外の駐在員の方が、日中に〝現地の夜〟として訪ねてくるなど、ママが自宅にいながら出店できる環境を整えました。
わたしの使命は、スナックの持つ可能性を掘り起こし、その魅力を後世に継承していくことです。それがママへの恩返しとなると信じ、事業を続けていきたいと思っています。