Windows 11では、AIを活用することで日常の“面倒な作業”を大きく効率化できる。例えば、音声入力で文章を作成したり、スクリーンショットから文字を抽出して要約したり、設定変更を自然言語で指示したりといった操作が可能だ。
これらは特別なソフトを導入しなくても、Windows 11の標準機能だけで実現できる。本稿では、Microsoft Copilotや標準アプリを活用し、「話す」「抜き出す」「指示する」といった操作で作業を自動化する具体的な方法を解説する。
Windows 11の音声入力は何ができる?使い方と文章作成の方法
Windows 11の音声入力を使えば、キーボード操作なしで文章作成が可能になる。
キーボード入力が面倒な場面では、Windows 11標準の音声入力機能が強力な武器になる。キーボードでの入力が苦手という方にとっては、タイピングよりも圧倒的に速い。
これまでパソコンを使った仕事をしてこなかった方が、現在の状況に合わせてやむなくパソコンを使っているというケースでは、その効果は大きい。人差し指でキーを選びながら入力を行うのはストレスであり、操作も遅く、音声入力の方が圧倒的に速い。老眼が進みタイピングが苦痛というケースにも効果がある。
操作手順は次のとおりだ。
- 「Windowsキー + H」を押す
- 音声入力パネルが表示される
- マイクに向かって話す
- 自動でテキスト化される
テキストを入力するエリアをマウスでクリックしたら、「Windowsキー + H」を押す。あとは自動的にマイクが入力を拾う状態に入るので、入力したい内容を発声する。「かいぎょう」と発音すると改行コードを送信するので、エンターキーを押さなくても作業を実行することができる。
「Windowsキー + H」で音声入力パネルを起動する。
音声入力したいアプリを開いた状態で起動するのがポイント。
マイクに向かって話すだけでテキストが入力される。
「改行」と話すとEnterキー操作も音声で実行できる。
誰しもがブラインドタッチ入力ができるわけではない。Windows 11に搭載されたこの音声入力機能は広く汎用的に使えるので、キーボード入力が苦手という方にオススメしたい方法だ。
実践例
- チャットAIやWebブラウザへの入力
- メールの下書き
- 議事録の記録
- 資料のたたき台
AI的な便利機能
音声入力は単なる文字起こしではなく、句読点の自動補完や文脈理解も行う。例えば「明日の会議について改行資料を準備しておいてください」と話せば、「改行」という発話で改行処理が入るなど、編集操作も音声で可能だ。
音声で入力した文章をCopilotに渡すことで、
- 要約
- 言い換え
- ビジネス文への整形
といった処理も行える。つまり、「話す→整える」までの自動化が可能だ。
スクショから文字抽出する方法は?Text Extractorと要約の使い方
Windows 11では、スクリーンショットから文字を抽出し、そのまま要約まで行うことができる。
画面上の情報を整理する作業も、Windows 11では簡単だ。スクリーンショット取得から文字抽出、さらに要約までを一連の流れで処理できる。画像からテキストを抽出する技術や実装は以前から存在しているが、現在のWindows 11ではこれらの機能がより使いやすく、効率的に利用できるようになっている。使ったことがなければ一度使ってみよう。
主な使い方は次のとおりだ。
- 「Windowsキー + Shift + S」を押す
- 表示されるメニューから「Text Extractor」を選択する (右端にある[三]のようなアイコン)
- テキストを抽出したいディスプレー上の範囲を選択する
- 抽出されたテキストがクリップボードに保存される
まずは文字を抽出したい画面を表示しておく。
「Windowsキー + Shift + S」でSnipping Toolを起動する。
「Text Extractor」を選び、抽出したい範囲をドラッグする。
以前はスクリーンショットの取得とテキストの抽出は別のステップを踏む必要があったが、本稿執筆時点でこの機能はSnipping Tool (「Windowsキー + Shift + S」で起動されるアプリ)に統合されており、ワンステップで実現できるようになっている。
抽出したテキストはCopilotで要約を生成するように指示すれば、そのまま概要を得ることができる。
抽出したテキストをCopilotに貼り付けて要約を指示する。
要約結果はそのままコピーして活用できる。
この流れで、「読む→まとめる」という作業の時短を実現できる。情報収集の効率が大きく伸びる。Snipping Toolにテキスト抽出の機能が統合されていることは、まだ知らないユーザーも多いものとみられる。「Windowsキー + Shift + S」でSnipping Toolを起動すること、そこから「Text Extractor」を選択すること、この2つの手順を覚えておこう。
CopilotでWindows設定は変更できる?自然言語で操作する方法
Windows 11では、Copilotを使うことで、設定項目を探さずに自然言語で操作できる。
Windowsの設定変更(設定アプリ)は、目的の項目がどこにあるか分かりづらいという問題がある。しかしCopilotを使えば、設定操作そのものを自然言語で指示できる。
例えば次のように操作する。
- Copilotを起動
- 設定内容をそのまま文章で入力 ー 例:「Bluetoothをオンにして」「ダークモードに変更して」
- Copilotが設定アプリの該当ページを開くボタンと操作方法を表示
- クリックして設定を変更
Copilotを起動し、変更したい設定をそのまま入力する。
指示に応じて設定画面へのリンクが提示される。
設定変更時には確認ダイアログが表示される。
指定した設定画面が直接開かれる。
MicrosoftはWindows 11の設定変更を設定アプリに集約する取り組みを進めている。多くの設定が集約されているため、目的とする設定変更ページにアクセスするまで試行錯誤が必要という現実がある。ここでCopilotの活用が効果的だ。Copilotに設定したい内容を伝えることで、目的の設定ページを直接開くことができる。
なお、設定変更の実体は設定アプリが担っているため、安全性や信頼性も確保されている。Copilotは、ユーザーの入力に基づいて適切な設定ページを特定し、操作手順を案内する。Copilotが直接設定を変更した方が便利だが、それには悪用や指示誤りのリスクがある。現在の挙動はリスクと利便性のバランスをとっている。
Windows 11のAIで作業はどう変わる?自動化できることまとめ
ここまで紹介した機能を見ていくと、「人が細かく操作する必要がなくなる」という共通点があることに気がつく
- 文章は打つのではなく「話す」
- 情報は読むのではなく「要約させる」
- 設定は探すのではなく「命令する」
Copilotと標準アプリの連携によってこうした機能が実現している。
Windows 11は、単なる作業環境ではなく、「ユーザーの意図を理解して代行する環境」へと変わりつつある。従来の操作中心の使い方から脱却し、AIに任せる部分を増やすことで、作業効率を向上させる狙いだ。
ただし、どこまでAIが代行できるかは今後の課題だ。こうした挙動を好まないユーザーも少なからずおり、MicrosoftがWindows 11にAIを深く統合することで発生する問題を懸念する声も大きい。Microsoftはこうした反応を見ながら対応を取っており、今後どうなっていくかは誰にもわからない状況だ。しかしながら、確実に便利であるといったところからAIの機能が浸透する方向にあることは間違いないように見える。












