米OpenAIは10月6日(現地時間)、開発者イベント「OpenAI DevDay 2025」において、AIコーディングエージェント「Codex」の一般提供(GA)開始を発表した。研究プレビュー段階を終え、個人から企業規模まで幅広い活用を促進するため、Slack連携、開発者向けSDK(ソフトウェア開発キット)「Codex SDK」、新しい管理・分析機能などが追加された。
Codexは、IDE、ターミナル、クラウド環境を横断して動作し、ChatGPTアカウントを利用することで、ローカル環境とクラウドサンドボックス間の作業をスムーズに連携できる。今年9月には、GPT-5をCodexに最適化した「GPT-5-Codex」が導入され、迅速かつ対話的なセッションから長時間のタスク処理やコードレビューまで、より高度なエンジニアリング業務に対応できるようになった。
正式版では、多くの企業で採用されているチームコミュニケーションツール「Slack」上で直接@Codexを呼び出せる。チャンネルやスレッド内の会話の文脈をAIが理解し、チームメンバーに話しかけるようにCodexにタスクを委任したり、質問したりできる。
Codex SDKの公開により、開発者はCodexのAIエージェント機能を自社の開発ワークフローやCI/CDパイプライン(ソフトウェアのビルド、テスト、デプロイを自動化する仕組み)に直接統合できるようになった。
また、利用環境のコントロールやアクティビティの監視、利用状況の分析ダッシュボードなどが拡充され、管理者が組織全体の利用を安全かつ効率的に管理できるようになった。企業・組織による大規模なCodex導入を支援する。
Slack連携とCodex SDKは、ChatGPTのPlus/Pro/Business/Edu/Enterpriseで6日に利用可能となり、新しい管理機能はBusiness/Edu/Enterprise向けに展開される。
OpenAIによると、Codexはすでにスタートアップから、Ciscoや楽天といった大企業まで、世界中の開発者に利用されている。OpenAI社内でも現在、ほぼすべてのエンジニアがCodexを利用しており、週あたりのマージ済みのプルリクエスト数は70%増加し、Codexがほぼすべてのプルリクエストを自動レビューすることで、本番環境前の問題見逃しを防いでいる。また、ネットワーク機器大手Ciscoでは、エンジニアリング組織全体でCodexを展開し、複雑なプログラム変更のレビューに要する時間を最大50%削減している。
DevDayの基調講演では、会場ステージ上に配置されたカメラや照明を使い、VISCAプロトコルの実装からユーザーインターフェース統合、Xboxコントローラーによる操作、リアルタイムAPIと音声エージェントの統合、照明制御まで、Codexが計画立案・コード生成・検証を自律的に遂行するライブデモを披露。 AIエージェントが開発者の創造性を拡張するパートナーとして機能することを示した。


