BSIグループジャパン社長・漆原将樹が語る「国際規格づくりでルールメイカーになろう」

国際規格─。様々な製品やサービスなどについて世界中の国々で共通して利用される基準を指すものです。代表的な事例としては「ISO」や「JIS」といった規格を思い浮かべる人が多いと思います。

 当社の設立は1999年ですが、BSIの正式名称である英国規格協会は1901年にロンドンのタワーブリッジを設計した土木エンジニアが創業者。彼が土木技術者協会に鉄鋼部門の標準化委員会の発足を提唱したことから始まりました。

 具体的には、産業革命を支えた鉄道の線路幅が挙げられます。当時の線路幅はバラバラで70以上あり、利便性や安全性の面で懸念が持たれていたのです。それを5つに集約したのがBSIでした。03年には安全に直結する、工業製品の品質を保証するための世界初の認証マーク、「カイトマーク」を提供するようになったのです。

 その後、企業などが製造する製品の安全にフォーカスを置いた規格認証に取り組み続け、世の中の複雑なものをシンプルにして安心・安全を担保することに貢献してきました。例えば、家具やヘルメット、マンホールなど社会インフラとして世の中の当たり前に普及しているモノの規格づくりに当社は携わってきたのです。その意味では、BSIの国際規格は時代の半歩先を進んできたと言えるでしょう。

 それはモノだけではありません。2000年前後、当時はインターネットやメールが普及し始めたタイミングでしたが、BSIでは1995年にそれらを見越して情報セキュリティマネジメントシステムの前身となる規格をつくっていたのです。

 さらに、当社は新たな規格をつくるだけにとどまらず、規格にまつわるトレーニングや認証なども提供できる機能を持っており、国際規格にまつわるサービスを一気通貫で提供できることが強みになっています。これを実現することができている企業は世界で当社だけです。だからこそ、当社は、ISO 9001、ISO 14001、ISO/IEC 27001など、認証件数の約8割を占める主要なISO規格をはじめ、様々な規格の原案策定において中心的な役割を果たしてきたのです。

 この国際規格を活用することができれば、「失われた30年」と言われ、低下した日本の国力を再興させることにもつながると考えています。例えば17年にヤマト運輸様と策定した「PAS 1018(後のISO 23412)」があります。「クール宅急便」で培ってきた同社の小口保冷配送サービスにおける品質の安全・安心を実現する認証を付与することができました。

 これによりヤマト運輸様によるクール宅急便の海外展開が広がり、今では25カ国になっています。日本の農畜産品の国際輸送が安全・安心かつ高いサービス品質で実現することができるようになり、第一次産業の成長にも寄与しつつあります。

 私は規格とは経営の道しるべだと思っています。しかし、あまりにも「守らなければならないもの」という捉え方が多すぎるようにも思います。だからこそ、日本はルールフォロアーになってしまいがちなのです。

 しかしこれからは自らがルールメイカーにシフトしていかねばなりません。それが差別化要素にもなります。ですから規格はコストではなく投資なのです。それだけの独自技術を多くの日本企業は持っています。

 当社は規格づくりの伴走役です。今までも黒子として企業の伴走役を担ってきました。共にアジア初、世界初の国際規格をつくっていきましょう。

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