Windows Centralは9月24日(米国時間)、「Microsoft's Publisher Content Marketplace will pay AI creators|Windows Central」において、Microsoftが「パブリッシャー・コンテンツ・マーケットプレイス(PCM: Publisher Content Marketplace)」を準備中だと伝えた。同社のAIサービスが消費するコンテンツに対し、報酬を支払う売買プラットフォームとされる。

  • 刷新されたMicrosoft Marketplace。3,000 を超える AI アプリとエージェントが Marketplace および Microsoft 製品 (Azure AI Foundry から Microsoft 365 Copilot まで) で直接利用可能になった

    刷新されたMicrosoft Marketplace。3,000 を超える AI アプリとエージェントが Marketplace および Microsoft 製品 (Azure AI Foundry から Microsoft 365 Copilot まで) で直接利用可能になった

パブリッシャー・コンテンツ・マーケットプレイスの概要

Windows Centralによると、Microsoftは先週モナコで開催された招待制パブリッシャーサミットにてPCMを発表したという。PCMはコンテンツ制作者向けの先行契約で、これまでコンテンツを無償利用されていたパブリッシャーに報酬をもたらす取り組みとされる。

PCMの試験段階では一部のパブリッシャーを対象にマーケットプレイスを提供し、効果的なツールの開発と価格モデルを構築すると共に、順次パブリッシャーを拡大する予定とされる。Microsoftは「知的財産の質に応じて報酬を受け取る権利がある」と述べたとされ、コンテンツの質に応じて報酬を調整する方針とみられている。

AIのデメリットを一括解決する初めての取り組み

AIツールは自然言語を理解し、各個人の好みに合わせてさまざまな情報を要約するなど、新しい機能でWebエクスペリエンスを向上させている。ユーザーにとっては利便性の向上につながっており好意的に受け止めることができる。しかしながら、パブリッシャーにとってはパーソナライズされた広告をユーザーから隠し、収入の減少などの不利益をもたらす存在となっている。

これはAI利用者の増加に合わせ、パブリッシャーの収入が減少していくことを意味し、コンテンツの持続可能性に深刻な影響を与えることになる。コンテンツを提供するWebサイトが減少するとAIは情報の提供元を失い、自らを苦しめることにつながりかねない。

OpenAIなどのAIプラットフォーム企業は、パブリッシャーと個別のライセンス契約を結ぶことでこれら問題を解決している。Microsoftはこの流れに一石を投じ、マーケットプレイスによる一括の問題解決を試みる方針とみられる。パブリッシャーの反応次第では取り下げられる可能性もあるが、奏功してコンテンツ産業全体の発展につながることが期待されている。