SOMPO HDが米保険会社を5000億円で買収、米国市場注力

政策保有株売却で成長投資の原資確保

 世界の4割を占める最大の保険市場・米国でさらなる成長を果たせるか─。

 2025年8月27日、SOMPOホールディングス(奥村幹夫社長)は米損害保険会社・アスペン・インシュアランス・ホールディングスを約5000億円で買収することを発表した。26年上半期に買収を完了できる見通し。

 世界的に需要が強い、企業役員の賠償責任保険やサイバー保険などに強みを持つ会社。さらに、17年にSOMPOが買収した会社・エンデュランス・スペシャルティホールディングスの再保険事業などとの合算で、再保険で世界10位の地位を確保する。SOMPOにとって今回の買収は、このエンデュランス買収に次ぐ2番目の規模。

「米国はまだまだ伸びる市場。そして英保険市場・ロイズに一定のプレゼンスを持つ会社なので、再び、その足掛かりができる」(SOMPOホールディングス関係者)

 SOMPOを巡っては、この数年、企業向け保険の価格調整問題、中古車大手・旧ビッグモーター(現WECARS)の保険金不正請求問題といった不祥事に直面してきた。現在も業務改善計画を遂行中だが、成長に向けた投資も同時に進められる環境も整ってきたと言える。

 奥村氏が社長に就いて、初めての大型買収。今回の買収の原資は政策保有株式を売却して得た資金。今後、さらに約1兆円分の売却を控えており、株主還元だけでなく、成長投資に振り向けていく考え。「成長投資の余地はあり、今後も考えていきたい」(同)。

 これはSOMPOのみならず、他の損保大手も同様で、政策保有株式売却で得た資金を活用した投資は、各社の将来の姿を変える可能性がある。

 SOMPOはこれまで、介護事業への進出の他、「ウェルビーイング」というキーワードで、RIZAPグループに出資するなど、保険以外の領域にまで事業を広げてきた。今後は本業の保険事業で国内、海外ともにいかに成長させることができるかが問われる。