ソフトバンクは、データセンターの設備構築や保守作業などの自動化に向け、ロボットフレンドリー仕様なサーバーラックを開発。独自設計のアダプターを含む接続機器と内部構造により、EIA規格の汎用サーバーをケーブルレスで設置できる。サーバーの設置から撤去、故障時の交換、点検までをロボットで自動化することをめざす。

  • ソフトバンクが開発したサーバーラック

    ソフトバンクが開発したサーバーラック

「北海道苫小牧AIデータセンター」(2026年度開業予定)における、ロボットによる作業自動化を実現するための取り組みの一環として、ソフトバンクが新たに開発したもの。同社が9月8日に発表した。

データセンターでは、サーバーラック内に多数のケーブルがあり、これがロボットによる作業自動化を阻んでいる。ケーブルが密集していることで、ラック内でロボットが対象機器を正確に認識したり、操作したりすることが難しく、作業の精度や効率に大きな影響を及ぼす。

ソフトバンクは、ロボットがそれぞれのケーブルを取り扱うなど複雑な動きをすることなく、サーバーの設置や故障時の交換などの作業を効率的かつスムーズに行えるようにするため、電源や通信といったケーブル接続が不要なケーブルレス構造を採用したサーバーラックを新たに開発した。

設置できるサーバーは、EIA規格(幅19インチ・482.6mm)対応のもの。電源・冷却・通信のすべてがケーブルレスに対応しているため、ロボットは押し込み作業のみでサーバーをラックに設置可能。電源にはラック背面の金属バーから直接給電する「バスバー方式」、冷却には水冷用の部品を差し込むだけで接続できる「ブラインドメイト式コネクター」、通信には光信号を利用する「光コネクター」を採用した。サーバーラック内の通信にも、独自設計の光信号アーキテクチャーを採用している。

  • EIA規格サーバーの搭載イメージ

    EIA規格サーバーの搭載イメージ

  • ラックへのサーバーの接続イメージ

    ラックへのサーバーの接続イメージ

新開発のサーバーラックは、ハードウェアの仕様や設計の標準化・効率化を進める非営利組織「Open Compute Project」(OCP)が、データセンター向け製品の設計について定めた仕様「ORV3規格」に準拠しており、液体冷却に対応する。

ソフトバンクは今後、このサーバーラックを実環境でロボットと連携させて検証。また、ロボットの活用によるデータセンターの運用のさらなる自動化をめざし、パートナー企業と連携して、自律走行搬送ロボット(AMR:Autonomous Mobile Robot)や、無人搬送フォークリフト(AGF:Automated Guided Forklift)などの開発にも取り組む。