【金融庁】不祥事多発で信金・信組の経営監視を強化

金融庁が信用金庫と信用組合の経営監視を強化する。信金・信組を巡っては、従来は主に各地の財務局が監督・検査を委ねていたが、金融庁自身が監督・検査を担う地銀に比べて経営監視が手薄だと指摘されてきた。

 7月には「協同組織金融モニタリング室」を新設し、担当参事官を配置。今後は財務局から吸い上げた個別の信金・信組の経営データを集約、個別の金融機関が抱えるガバナンスや財務リスクなどを精査し、より実効性のある監督・検査につなげる狙い。

 背景には、信金・信組の不祥事が相次ぎ、金融庁に対する世論の批判が高まっていることがある。今夏には、金融機能強化法の震災特例で公的資金による資本注入を受けた、いわき信組(福島県)で20年以上にわたる不正融資が発覚した。

苫小牧信金(北海道)は信用金庫法で認められていない不動産関連業務を長年にわたって行っていたとして、業務改善命令を発動された。いずれも長年組織に君臨し、経営を支配した理事長らによる杜撰なガバナンスが原因だった。

 人口減少や利息引き上げ競争などの影響でインターネットバンクに預金を奪われる傾向も強まっており、経営環境は厳しい。金融庁は信金中金や信組の中央機関である全国信用組合連合会(全信組連)とも協力し、地域金融システムの下支え役である信金・信組に持続可能なビジネスモデルへの転換を促す構え。そのための監督・検査要員の拡充を政府に要求する。

 近年、信金・信組をめぐる合従連衡の動きは目立たず、経営基盤の強化が再び課題に浮上。「再編論者」(有力OB)とされる伊藤豊長官が、地銀に加え、信金・信組の合併・統合の旗振り役ともなるか。

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