TOPPANは6月20日、現存する人物の姿かたち・声をリアルに再現し、本人さながらの対話を可能にした分身をデジタル空間上に作成する「デジタル分身サービス」を同日から提供開始すると発表した。
同サービスは、TOPPANが保有する見た目の再現技術や独自の音声再現AIモデルなどを用いて、人物の姿かたち・声をリアルに再現するだけでなく、TOPPANのデータ管理に関するノウハウを活用して本人に関する膨大なデータをAIに学習させることで、本人さながらの対話が可能な分身アバターを作成できるもの。
TOPPANグループが2025年5月に提供開始した、社内外のAI活用をグループ横断で推進し、企業におけるマーケティング業務のAI Powered化を実現するサービスの一環として提供される。
なお価格は、メッセージ型動画が1本150万~、対話型アバターシステムが1件500万~。各種設計やデータ量など、要件によって価格は変動する。
サービスの概要
同サービスの特徴としては、TOPPANがノウハウとして蓄積してきたさまざまな表現技術を活用し、対象者の顔をリアルに再現することで、姿かたちだけでなく人間らしい動きや表情も再現した、表現豊かなコミュニケーションを支援できる点がある。
また、収録した音声サンプルをもとに音声再現AIモデルを生成し、声色や声質をリアルに再現する。音声サンプルの収録はスタジオでの本格的な収録と併せて、スマホアプリによる簡易的な収録も可能。
多言語対応エンジンの活用により、その人の声色や声質による多言語の発話も可能にし、世界中のユーザーとコミュニケーションを行えるようになる。
加えて、本人に関するテキストや動画、画像など多様なデータを構造化しAIに参照させることで、本人の知識・ノウハウに基づく対話を実現。本人の話し方や口癖など細部まで再現することで、親近感を持って対話を実現する。
デジタル分身の想定される活用シーン
デジタル分身の想定される活用のシーンとしては、本人が不在時の対応や、本人だけでは対応しきれない多人数との同時対応、窓口接客業務などに加え、多言語対応によるグローバルな情報発信を行うことができる。
さらに会社理念の継承、トップセールスのノウハウを活用した営業商談・顧客コンタクトなど、経営者や創始者の知識・思考を基に、企業の経営ビジョン・行動指針を体現したプレゼンテーション、相互コミュニケーションを実現する。
また、トップセールスのノウハウを反映することで、営業商談やコンタクト領域でより高い顧客満足度を追求することが可能となるという。
今後の目標
TOPPANは同サービスにより、さまざまな人物をデジタル空間に再現し、世界中の人とのつながりや新しいコミュニケーションの可能性を追求するとともに、ノウハウの継承や人材不足の解消におけるコミュニケーションを支援するAIサービスの構築を行う。
データの信頼性を示すために、TOPPANデジタルが提供するアバターの真正性を証明する基盤である「AVATECT」とも連携をすることで、同サービスが安心して活用できる環境を整備する。