KDDIは5月20日~24日まで、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)にて、国土交通省主催のテーマウィークプログラム「未来のコミュニティとモビリティ」の「Digital Twin Perspectives - 現実と仮想が描く都市の未来」に出展し、WAKONX SmartCityソリューションの機能である「3D都市モデルを活用した大規模人流シミュレーションシステム」を活用した防災DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みと成果を展示することを発表した。
なお、展示は東日本旅客鉄道、KDDIアジャイル開発センター、JR東日本建築設計との共同出展。
展示の背景
KDDIは2024年5月から、顧客企業の事業成長と社会課題解決への貢献を目的に、AI時代の新たなビジネスプラットフォーム「WAKONX(ワコンクロス)」を始動した。WAKONX SmartCityでは、人々の生活を改善する新しいサービスの開発や強靭なまちづくりの推進を通じて、人口減少や労働力不足といった社会課題の解決を目指している。
同社は2022年および2024年の国土交通省PLATEAUプロジェクトにおいて、「3D都市モデルを活用した大規模人流シミュレーションシステム」を開発。このシステムは2025年3月に提供開始したWAKONX SmartCityソリューションとして、KDDIの新本社が所在するTAKANAWA GATEWAY CITYで実装されている。災害時だけでなく、イベント開催時の混雑予測や人流滞留の防止策の策定にも応用されているという。
主な展示内容
同システムでの人流シミュレーションでは、避難者の動きや衝突回避をリアルに再現可能。シナリオの作成から実行、結果分析まで一連の流れを効率化でき、シミュレーション結果はグラフやリプレイ映像として出力されるため、避難時間や密集度の分析が容易になるという。こうした機能をパネルで紹介する。
また、3D都市モデルを利用した人流シミュレーションシステムを活用し、東京都品川区に2026年3月開業予定の大規模複合施設「OIMACHI TRACKS」を含む大井町駅周辺を実証地として複数のシナリオで避難シミュレーションを実施。開業前の街においてもシミュレーションが可能という特徴を生かし、避難にかかる所要時間や混雑リスクの高い地点を事前に発見でき、対応策を迅速かつ正確に検討することに貢献している。