コーセーは、世界で初めて量子コンピュータを用いて計算した化粧品処方によって、毛穴の角栓への最適なアプローチを追求したクレンジング美容液を商品化。「1,000億通り以上の成分の種類と配合量の組み合わせの中から、角栓ケアにおける最適なアプローチを導き出した」とアピールしている。
商品化するのは、コーセーのハイプレステージブランド「コスメデコルテ」において、“ラグジュアリー価値を牽引する象徴ライン「AQ」”に投入する「毛穴美容液オイル」。全国の百貨店・化粧品店・公式オンラインショップで、5月16日から11,000円で販売し、アジア地域や欧米各国を含むグローバル市場にも順次展開する。
毛穴の角栓は、毛穴に残ってしまった古い角質と過剰分泌の皮脂が混ざって毛穴に詰まり、固まった汚れからできている。タンパク質と脂質という、種類の異なる汚れが年輪のように重なって固まる複雑な構造をしており、毛穴の奥深くで作られるため、除去が難しい。構成成分の個人差もあるため、どの角栓にも高い効力を発揮する、汎用性のある処方を生み出すことは難しいとされる。
コーセーでは、脂質である“皮脂”にアプローチする設計にしたことで、肌の負担感を抑えながら、日々の手入れでは落としきれない、毛穴に蓄積した角栓や黒ずみ、酸化皮脂を溶かし出し取り除く、高機能な処方を追求。「溶解度パラメータを用いた成分の選定および配合量の組み合わせ」について、量子コンピュータの計算を採用した点が“世界初”とうたっている。
使用感については、「余分な汚れを落としながら、ざらつきのないなめらかな明るい肌へと整える。摩擦感のない軽い伸び広がりで、角栓が詰まった毛穴のすみずみまで行きわたり、洗い流し後もすっきりとして心地よい」とアピール。アレルギーテスト済みで、アルコールフリー、鉱物油フリー、パラベンフリー仕様。AQライン共通のフレッシュフローラルムスキーの香りを採用している。
同社では、「先進性と独自性の高い処方を取り入れたパーソナルケアアイテム。最先端サイエンステクノロジーに裏付けられたスキンケアラインとして、プレステージ市場における存在感を高め、認知度・価値向上をねらう」としている。
なお、コーセーは2019 年から量子コンピュータ技術の化粧品開発への応用を模索。無数にある原料の種類や配合量の組合せから、目標品質に向けて最適な組み合わせを設計する“化粧品処方の開発”に向けてシステムを開発し、2023年には量子コンピュータと従来型のコンピュータを組み合わせたハイブリッド型アルゴリズムにより、高速に動作する化粧品の処方自動生成システムを立ち上げ、実際にクレンジングオイルの処方を自動生成することに成功している。