現代社会では必須ともいえる企業のDX
業務は企業ごとにさまざまなのでケース・バイ・ケースで検討する必要があるが、業務改善の手段として、DX(デジタルトランスフォーメーション)は比較的効果が期待できる手段だ。
コンピューターとネットワークはすでに現代社会の基盤であり、これらを使いこなせるかどうかは、企業運営を効率的に行えるかどうかに直結することが多い。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の要素としては、以下がある。
- デジタル技術を使って、業務の自動化などを実現して業務プロセスを効率化する
- デジタル技術を使って、顧客サービスや製品提供方法を改善して顧客体験を向上させる
- デジタル技術を使って従来のビジネスモデルを刷新する
- デジタル技術を使って、柔軟な働き方やデータ駆動型式決定企業文化を実現する
そして、DXによって得られるメリットとしては、次のようなものがある。
- 市場変化に迅速に対応できるようになった企業は競争に優位になる
- 業務の自動化や効率化によりコストを削減できる
- デジタル技術の活用によ、り新しい市場や顧客層にアプローチするチャンスが広がる
- パーソナライズされたサービスや迅速な対応により顧客満足度を向上させることができる
中小企業や個人事業が直面するDXの課題
大手企業は多かれ少なかれDXに取り組んでおり、すでに自社に適したシステムの開発が行われ活用が進んでいる。しかし、これが中小企業や個人事業となると話が違ってくる。
まず、DXを推進するための予算を潤沢に用意できないことが多く、システム設計や開発が可能な人材を確保することも難しい。DXの必要性は理解しつつも、取り組めていない中小企業はたくさんある。
こうしたケースでは、クラウドサービスによってローコード・ノーコードツールを使うことが一つの選択肢となる。料金は月額や年額であり、最初のシステム開発費用が不要といったケースが多い。
そうしたツールのうち、ここではサイボウズの「kintone (キントーン)」を取り上げる。中小企業が現実的にDXに取り組める選択肢だからだ。
業務アプリをノーコードでつくれるkintone
kintoneは業務アプリをローコードまたはノーコードで作れるクラウドサービスだ。プログラミングのスキルがなくても業務アプリをつくることができるという特徴がある。
kintoneの導入担当者は9割以上がIT部門ではないとされている。つまり、ITのスキルに精通していなくても、ドラッグ&ドロップといった容易な操作だけで業務アプリを開発できるということだ。これは多くの中小企業や個人にとって重要な意味を持っている。
「ローコードやノーコードといっても、結局、アプリつくりは難しいのでは」と考えるかもしれない。ここで注目したいのが、kintoneはさまざまな業種の各部門向けのサンプルアプリが最初から用意されている点だ。つまり、すでに用意されているサンプルをちょっとカスタマイズするだけで、使える業務アプリをつくれるのだ。
結局のところ、中小企業の現場は使えるシステムが欲しいだけで、システムを開発したいわけではない。サンプルアプリだけでは自社のニーズを満たせないことがあるので、そこをちょっとカスタマイズできると問題が解決できるなら好ましい。
サンプルのカスタマイズで効率的な開発を
kintoneはもともとUI/UXが優れているので、プログラミングの経験がなくても使っていけば勘所は押さええやすく、比較的すぐに必要な業務アプリが構築できるようになる。
当然、プログラミングの経験がある方が習得しやすいのは事実だが、そうした知識や経験がなくてもいけるほど整理されている。
一から業務アプリを構築するとなると、ローコード・ノーコードといえどもそれ相応にITリテラシーが要求されるが、サンプルを書き換えるという使い方なら、その手順を大幅に省ける。ITリテラシーがあるに越したことはないが、サンプルの書き換えであれば現実的に業務アプリを仕上げることができる。
まずは「kintone導入ガイドブック」を試してみよう
本稿執筆時点では30日間のトライアルアカウントを作成できるようになっているので、キントーンを使ったことがない場合はこのアカウントを作ってみよう。
アカウントを作成してログインを行うと自動的にチュートリアルが始めるので、最初はこのチュートリアルをやってみよう。キントーンの基本的な使い方がわかるはずだ。
アカウントを作成すると、「kintone導入ガイドブック」というPDFをダウンロードできるので、このガイドブックは保存しておく。作業する時間ができたら、このガイドブックを読みながら記載されている操作をひととおりやってみよう。このガイドブックを読み終わるころにはキントーンの使い方がある程度身についているはずだ。
日報アプリはキントーン活用の基本中の基本
チュートリアルでも、kintone導入ガイドブックでも、「日報アプリ」をつくる方法がステップに取り込まれている。簡単な操作でアプリを追加でき、しかも数ステップでカスタマイズできることを学べる優れたサンプルだ。
実際のところ、他の業務アプリの作り方も日報アプリとよく似ている。業務アプリとして必要になるものをサンプルアプリから探してきて追加し、使ってみて、不要な機能は削除し、足りない機能は追加する。基本的にはこれだけの操作だが、かなりのところまでいけると思う。
まずは、kintoneのアカウントを作ってみよう。kintoneでDXの推進が実現されたら、かなり利益率の高い投資になるはずだ。