デル・テクノロジーズ(以下、デル)は7月3日、ITインフラ向けの統合ストレージソリューション「Dell PowerStore Prime」の提供を開始することを発表し、記者説明会を開催した。同ソリューションでは、機能を強化した「PowerStore」ストレージとともに、ストレージ資産を保護しながらビジネス収益性の向上を支援するプログラムを提供する。
ストレージOS「PowerStore」がバージョン4.0にアップデート
PowerStore Primeで提供されるストレージOS「PowerStore」は、過去4年間で7回のメジャーリリースを経て、今回「PowerStore 4.0」へとアップデートされた。これにより、現行版のPowerStore 3.6と比較してPowerStore 4.0ではソフトウェアベースのパフォーマンスが30%向上している。つまり、ハードウェアはそのままで、ストレージの使用量を約3割削減できるという。
また、新たなQLC(クアッド レベル セル)ストレージのサポートも開始する。これまで4対1のデータ削減率を保証していたのだが、今回は削減に関わる内部アルゴリズムを見直したことで、5対1のデータ削減保障に対応可能となった。
また、マネジメントソフトウェアにビルトイン型で生成AIを搭載。不具合や疑問点について、AIに自然言語で問い合わせることができるようになった。AIによる回答はデルのデータを利用しており、ハルシネーションを抑制して正確性を担保している。
PowerStore Primeでは、このOSに加えて、APEXサブスクリプションによる従量課金、満足度保証プログラム、24時間365日体制でのサポートを提供するLifecycle Extensionなどを、パッケージサービスとして展開する。
QLCストレージへの対応を強化
ハードウェアについてもアップグレードが図られた。新たなDIP(データインプレース)の上位モデルへアップグレードすることで、パフォーマンスが66%向上。ブロックのボリューム数は60%増、スナップショット数は40%増加する。
同社が今回発表したPowerStore 3200Qは、最小で11本のQLCドライブ構成から、5.9ペタバイトの実効容量まで対応可能な柔軟性を備える。なお、同一クラスタにTLC(トリプル レベル セル)とQLCが混在するワークロードも運用可能とのことだ。
デルのストレージプラットフォームソリューション システム本部でディレクターを務める森山輝彦氏は「アーカイブ向けやセカンドストレージではなく、QLCストレージをプライマリストレージとして提供する。容量単価を改善した次世代のストレージだと思っていただければ」と説明した。
加えて、「お客様がオールフラッシュストレージに求める性能をリストアップしてもらえれば、PowerStore Primeはリストの全項目を満たせるだろう。われわれとしては、まさに『待ちに待った本流ストレージ』としてお届けできる」とも語っていた。