ITインフラ事業を手掛けるトゥモロー・ネットは7月3日、同社の自動化システム「CAT.AI(キャット エーアイ)」を東京ガスが導入し、コールセンター対応でAIによる対応完了率(AIを利用した対応のうち、途中切断等を除きAIが設計通りに対応をすべて完了した割合)が最大96%を達成したことを発表した。
CAT.AIは、音声とテキストの両方に対応する、ナビゲーション型の対話AIサービス。独自開発のNLP(自然言語処理)技術を搭載しており、人間と話すような自然なコミュニケーションが実現できるという。
東京ガスは2024年2月に同サービスを本格導入した。東京ガスのコールセンターでは、繁忙期と閑散期の入電数の差が大きく、人材確保に苦慮する場面があったという。引っ越しシーズンの3~4月には、多くの問い合わせが集中するため、コールセンターにかかる負担も大きく、電話対応業務の効率化が課題となっていた。
導入の決め手となったのは、テキストだけでなく音声にも対応できるシステム設計だ。ガスの開閉栓対応には契約者名(漢字)やマンションなどの建物名の正確な聴取が求められる。音声とテキストを使ったナビゲーションの分かりやすさや、顧客好みに応じた対応方法の選択が可能な柔軟性を評価したという。
電話をしながらショートメッセージを開くという動作をスムーズに進める案内を実現し、住所の入力ではユーザーができるだけ入力や選択に迷わないよう、入力や選択を分けて提示するようなステップを追加した。通話時間の短縮や通話料の負担軽減も実現し、2024年3月の繁忙期にはAI対応完了率が最大96%を達成したとのことだ。