Canonicalは3月25日(現地時間)、Ubuntuの長期サポート版である「Ubuntu LTS」のサポート期間を12年まで延長する「Legacy Support」アドオンの提供開始を発表した。Canonicalは、Ubuntu LTSのユーザーに対して10年間のサポートを行う「Ubuntu Pro」を提供しているが、このUbuntu ProにLegacy Supportアドオンを追加することで、サポート期間を12年間に延長可能。Legacy SupportアドオンはUbuntu 14.04 LTS以降のバージョンで利用可能になる。

  • Canonical expands Long Term Support to 12 years starting with Ubuntu 14.04 LTS

    Canonical expands Long Term Support to 12 years starting with Ubuntu 14.04 LTS

Ubuntu LTSのサポート期間

UbuntuのLTS(Long Term Support)版は通常よりも長期のサポート期間が設定されたバージョンで、一般ユーザーに対してはメインのUbuntuリポジトリで5年間の標準セキュリティメンテナンスが提供される。Ubuntu Proを契約したユーザーに対しては、メインリポジトリーとユニバースリポジトリーの両方におけるサポート期間が10年間に拡張される。Ubuntu Proには電話とチケットによるサポートも付属する。

新しいLegacy Supportアドオンは、Ubuntu Proの契約者が購入できるオプションで、追加で2年間のセキュリティメンテナンスとサポートを受けられるというもの。CanonicalはUbuntu Proのセキュリティメンテナンスについて「システムをプロアクティブに保護する継続的なプロセスの一部で、定期的な脆弱性スキャン、評価、パッチ管理が含まれる」と説明している。

具体的には、Ubuntu ProではUbuntuに同梱されているすべてのソフトウェアパッケージについて、重大・高・中程度のCVEベースの継続的な脆弱性管理が提供される。Canonicalのセキュリティチームはこれらの脆弱性に関する修正を、サポートされているすべてのUbuntu LTSリリースに積極的にバックポートするという。

Ubuntu 14.04 LTS以降のリリースで利用可能に

Ubuntu LTSは2年に1度のサイクルでリリースされており、2024年3月現在は14.04 LTS(コード名:Trusty Tahr)、16.04 LTS(Xenial Xerus)、18.04 LTS(Bionic Beaver)、20.04LTS(Focal Fossa)、22.04 LTS(Jammy Jellyfish)がある。このうち、14.04 LTSは2014年4月にリリースされたもので、2024年4月にUbuntu Proによるサポート期間が終了する。

新しいLegacy Supportアドオンはこの22.04 LTS以降のLTSリリースで利用可能となっている。したがって、14.04 LTSをUbuntu Pro契約で使用しているユーザーは、Legacy Supportアドオンを追加することでサポート期間を2026年4月まで延長可能になる。

なお、Ubuntuの各バージョンのリリース日とサポート期間については、次のページに詳しくまとめられている。Legacy Supportアドオンを利用した場合のサポート期限はまだ反映されていないが、各リリースの「Expanded Security Maintenance」が2年間延長されると考えればいいだろう。

  • Ubuntu LTSの拡張セキュリティメンテナンスの提供期間

    Ubuntu LTSの拡張セキュリティメンテナンスの提供期間