ネットアップは3月14日、ランサムウェアに対するサイバーレジリエンス機能と生成型AIプロジェクト向けの新機能を発表した。

サイバーレジリエンス機能は、オンプレミスとクラウドに関わらず、組織のプライマリデータとセカンダリデータの両方を保護する「ONTAP Autonomous Ransomware Protection with Artificial Intelligence(ARP/AI)」「BlueXP Ransomware Protection」「NetApp SnapCenter 5.0のアプリケーション認識型ランサムウェア対策」「NetApp BlueXP Disaster Recovery」「NetApp Keystone Ransomware Recovery Guarantee」を提供する。

ランサムウェアに対する新機能

ONTAP ARP/AIは、ストレージに直接組み込まれた適応型AI/MLモデルを使用して、ファイルレベルのシグナルをリアルタイムで確認し、最新のランサムウェア攻撃でも99%+の精度と再現率で検出する取り組みを。次の四半期中にARP/AIのテクノロジプレビューの提供を予定している。

BlueXP Ransomware Protectionは、単一のコントロールプレーンを提供し、ワークロード中心のエンドツーエンドのランサムウェア防御をインテリジェントに調整して実行する。重要なワークロードデータをワンクリックで特定して保護し、潜在的な攻撃を正確かつ自動的に検出して対応しており、数分以内にワークロードを回復して貴重なデータを保護し、現在はパブリックプレビュー中だ。

NetApp SnapCenter 5.0のランサムウェア対策は、アプリケーションに対してイミュータブルなランサムウェア対策を提供。SnapCenterは、これまで非構造化データで使用されていた同社のランサムウェア対策テクノロジーを、アプリケーション整合性のあるバックアップに適用。

SnapCenter 5.0では、改ざん防止の Snapshotコピーロック、SnapLock保護ボリューム、SnapMirrorビジネス継続性など、主要なONTAP機能がサポートされており、アプリケーションや仮想マシンの堅牢なデータ保護が可能。SnapCenter 5.0は、オンプレミスのNetApp AFF、ASA、FASとクラウドでのアプリケーションの保護をサポートする。

NetApp BlueXP Disaster Recoveryは一般提供を開始しており、VMwareインフラストラクチャとのシームレスな統合を実現し、オンプレミス環境と主要なパブリッククラウド環境の両方に対応するストレージオプションを提供。ディザスタリカバリ(DR)用のスタンバイインフラを別途用意する必要がなくなり、コストを削減できるという。フェイルオーバーとフェイルバックのプロセスが簡素化されるため、オンプレミスのVMwareインフラからパブリッククラウドやオンプレミスのデータセンターへのスムーズな移行を可能としている。

NetApp Keystone Ransomware Recovery Guaranteeは、同社の「Ransomware Recovery Guarantee」を、Storage-as-a-Service製品である「NetApp Keystone」に拡張するもの。これにより、ランサムウェア攻撃が発生した場合にスナップショットデータのリカバリを保証し、スナップショットデータコピーをリカバリできない場合は、補償する。

AIの新機能

一方、生成型AIプロジェクト向けの新機能として「NetApp AIPod」「FlexPod for AI reference architectures」を発表。

NetApp AIPodは、同社製品とNVIDIAの高性能コンピューター、ネットワーク、ソフトウェアを組み合わせている。トレーニングや推論など、組織のAIプロジェクト向けのコンバージドインフラストラクチャとなる。

NVIDIA DGXを搭載し、NVIDIA DGX H100とNetApp AFF Cシリーズフラッシュなどのシステムを統合し、NVIDIA DGX BasePODソリューションとして認定された。NVIDIA DGXを搭載したNetApp AIPod は、NVIDIA DGX A100も引き続きサポートする。

さらに、NetAppのストレージとNVIDIA OVXコンピューティングシステムを組み合わせることで、モデルの微調整や推論のワークロードなど、エンタープライズAIの導入を効率化できるという。

NVIDIA L40S GPUsを搭載した検証済みのNVIDIA OVXソリューションは、NVIDIA AI Enterpriseソフトウェア、NVIDIA Quantum-2 InfiniBand、NVIDIA Spectrum-X Ethernet、NVIDIA BlueField-3 DPUsなど、主要なサーバベンダーから入手を可能としている。

FlexPod for AIでは、NVIDIA AI Enterpriseソフトウェアプラットフォームがサポートし、FlexPod for AIを拡張してRedHat OpenShiftとSuSE Rancherを活用できるようになっている。GPUを集中的に使用するアプリケーションをサポートするために、新しいスケーリングとベンチマークが追加された。