パルコの展覧会が面白い。2023年で言うと、「TVアニメ【推しの子】展」や「おぱんちゅうさぎ展」といった人気作品を取り上げたもの、SNSで幾度も話題になった「いい人すぎるよ美術館+切ないすぎるよ博物館」、渋谷PARCO開業50周年を記念した「『パルコを広告する』 1969 - 2023 PARCO広告展」など、さまざまな展覧会が全国各地のPARCOで開催されている。「さすがパルコ、良いところに目を付けているな」と思わせるものもあれば、「え? これ何?? 知らないから気になる」と好奇心をそそられるものまであり、筆者はいつもその幅広いラインナップに注目している。

今回、これらの展覧会を企画・運営する同社 宣伝部の展覧会・POPUPチーム精鋭10名に取材する機会を得た。2023年は売上・入場者数とも前年比約160% という記録を打ち立て、“ヒットメーカー”と呼ばれる彼らはどのような視点で、展覧会をつくり上げているのか。チームを代表し、パルコ 宣伝部の山﨑博史氏にお答えいただいた。

  • 前列中央が主にインタビューにお答えいただいたパルコ 宣伝部の山﨑博史氏

宣伝部 展覧会・POPUPチームのメンバー

荒田佳帆氏
大ヒットとなった「おぱんちゅうさぎ展」を担当。デジタルチームのSNS担当も兼任している。「チームに男性が多いので、女性目線の企画がつくれるよう、日々アンテナを張っています」
那須陽友氏
渋谷PARCOで開催された新進気鋭のアーティストたちによる祭典「P.O.N.D. 2023 Dialogue/新しい対話に、出会う。」を担当。「パルコだからこそキュレーションできるアーティストが集うイベントです」
キョウ カク氏
2023年12月に入社。以前はアート系の仕事に従事しており、「パルコはアート以外にも、カルチャーなどさまざまなタイプの展覧会をやっているのを見て、新しいチャレンジができると思った」と話す。
森本凌介氏
ゲーム事業部との兼任。池袋PARCOにあるPARCO FACTORYで開催した「龍が如く『散った男たち展』」を担当した。「好きなジャンルが異なるメンバーが揃っていて、アンテナの立て方がそれぞれ違うのが良いのではないかと思っています」
西川太樹氏
2023年12月入社。前職は写真関係の仕事に従事していた。「個性豊かなメンバーに惹かれ、入社しました。これからがんばります」
青木亮太氏
PARCO FACTORYで開催した「Midnight Grand Orchestra Exhibition『MIDNIGHT MISSION』」を担当。Vtuber関連の展覧会はこれがほぼ初めての取り組みだったという。ロケーションビジネスの事業や新規事業開発部署とも協業している。
後藤龍一氏
「TVアニメ【推しの子】展」を担当。以前、『推しの子』と同じ版元と展覧会を開催しており、今回もプロデューサー側からアニメ化決定と同時に、展覧会開催の相談があったという。アニメやキャラクターの案件を多く担当し、コラボカフェなども企画する。
田中克典氏
「マツケンサンバ POP UP SHOP」や「僕のヒーローアカデミア × ちいかわ POP UP STORE」を担当。イベント会社からパルコに出向しており、イベント会社内で生まれた企画をパルコで展開する役割を果たしている。
後藤悠弥氏
2024年3月から始まる「有村架純 写真展『sou. 』」を担当。ロケーションビジネスチームと兼任しており、パルコをロケ地などに使用してもらうためのコーディネートがメインの業務だ。

展覧会にかける個性派メンバーの熱意

さまざまなヒット企画を生み出すパルコの展覧会・POPUPチームは、2023年3月に結成された。従来、展覧会の企画・運営は宣伝部内の動員チームが担当していたが、グッズを中心にした小規模なポップアップイベントの開催や、地方のパルコへの巡回を強化するため、新たにチームを編成したと山﨑氏は説明する。現在展覧会・POPUPチームには10名が所属しており、専任は4名、他の部署やチームとの兼任が6名だ。1つの展覧会に対し1人が担当するのが基本体制だが、「キャリアがバラバラなので、スタッフの育成という観点からサブを1人付ける2名体制の場合もある」(山﨑氏)という。

ではなぜ、パルコの展覧会が話題になるのか。山﨑氏はその要因を2つあると分析する。1つは、コンテンツ(IP)の情報がどんどん入って来ることだ。パルコは1973年の渋谷PARCO開業以来、展覧会の開催を続けている。

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